2008年5月13日 (火)

マンション最上階住戸

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【NO.201】「マンション最上階住戸」のウソ・ホント

最上階住戸って、どういうもの?
201 最上階住戸とは、言葉が示すとおりマンション建物の最も上に位置する住戸。ただし、「階数が一番大きい住戸」とは限らない。
 例えば、地上12階建てのマンションがあったとする。その場合、12階にある住戸は最上階住戸になるのだが、10階でも最上階ということがあり得るし、5階でも最上階ということもある。
 というのも、マンションの建物が階段状になり、最も背が高い部分は12階だが、10階までしかない部分や5階までしかない部分があったとする、その場合、10階までの部分では10階が、5階までの部分では5階が最上階となるからだ。
 つまり、「それ以上、上には住戸がない住戸」——天井の上は建物の屋根になっている住戸が最上階ということになる。


最上階住戸の長所は何?
 一戸建てと比べて、マンションがすぐれている点は何か。
 答えはいろいろあるのだが、最も大きな違いとされるのは「一戸建てよりも高い場所に住むことができる」点だ。
 一戸建てでは2階建て、せいぜい3階建てまでになるのが普通。これに対し、マンションならば、地上40階とか50階……地面から100m以上の高所に住むことができる。
 一戸建てで地上100mの建物はまず造れない。そんなに高いところに住むことができるのはマンションならでは。高いところに住めば見晴らしがよいし、日当たりもよい。そこで、「どうせマンションに住むのなら、なるべく高所の住戸がよい」と考えられ、最上階住戸がベストなポジションとされるようになった。
 最上階であれば、「頭の上に人が住んでいない」ということになり、それも好まれる理由。実際、マンションでは最上階住戸の人気が高い。
 人気が高いため、面積の広い住戸がつくられ、価格設定も高くなるのが一般的である。
 
 
最上階住戸に短所はないの?
 実際に、最上階住戸に住んでみると、やはり気分がよい。対して、短所は何か。
 以前は最上階住戸は、夏、暑さが厳しいとされた。屋根が太陽光で熱せられ、その熱で室内も暑くなったからだ。しかし、今は屋根の断熱性が増しており、暑さ・寒さの弊害はほとんどなくなっている。
 大地震が起きてエレベーターが止まると、住戸への出入りが大変という意見もあるが、その短所は上層階の住戸すべて当てはまること。最上階住戸だけの短所ではない。
 最近、よく耳にするのは、「意外に泥棒被害に遭いやすい」ということ。泥棒が屋上からバルコニーに下りて忍び込むわけだ。
 そのため、最近のマンションでは1階住戸だけでなく、最上階住戸も窓に防犯センサーを設置し、セキュリティを固めるようになっている。
 最後に残るのは、「価格が高くて買いにくい」という短所。これだけは解決策がない“致命的欠点”といえそうだ。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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2006年9月19日 (火)

二世帯同居間取り

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【NO.159】「二世帯同居間取り」のウソ・ホント

「二世帯同居間取り」って、どんなものなの?
 それは、ファミリー世帯と祖父母が同居するための間取り。具体的には「3LDK+1LDK」とか「2LDK+1DK」というものだ。
 当然、専有面積が100m2以上の大型住戸となる。二つの住戸は室内ドアでつながり、自由に行き来できるという間取りである。

「二世帯同居間取り」は、一時期、姿を消していた
 そマンションにおける二世帯同居間取りは、実は以前から存在していた。昭和の終わり頃、盛んにつくられていた。が、必ずしも好評だったわけではなく、その後は姿を消してしまった。
 理由は、「息苦しい」から。気密性の高いマンションの場合、室内で家族の気配を感じやすい。二世帯で気配を感じあうのはつらいと考えられたわけだ。
 その結果、二世帯同居の住戸を買うより、隣り合った住戸を二つ買ったり、同じマンション内で、3LDKと1LDKの住戸を買ったほうがよい、となった。同居ではなく“近居”が好まれたわけだ

復活してみると、これが意外に……。
 一度は姿を消した二世帯同居間取りだが、最近、神奈川県川崎市のマンションで復活。復活してみると、これがなかなかに好評なのである。
 その理由は、同居の利点が見直されたから、と考えられる。
 マンション暮らしで、親の面倒をみようとする場合、「近居ではマズイ」という事態が起きうる。例えば、親が一人残り、介護が必要になった場合は、多少、気詰まりでも、同居でないと暮らしにくい。
 しかし、最近のマンションには二世帯同居の間取りがなかったので、4LDKの間取りを選び、一部屋を親の居室にする、ということになりかねない。
 そのことを考えれば、かつて「息苦しい」と評された3LDK+1LDKといった間取りが見直される。「4LDKに親と同居するより、ずっとよいではないか」というわけだ。
 高齢化社会の始まりとともに、マンションの二世帯同居間取りは、今後、増えてゆくものと考えられる。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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2006年5月30日 (火)

ユーティリティ

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【NO.119】ユーティリティのウソ・ホント

「ユーティリティ」ってどういうもの?
 ユーティリティとは「役立つ」とか「実用」という意味で、住宅においては「主婦のための家事作業スペース」を指す。例えば、キッチンに隣接して、カウンターと椅子のあるスペースがあれば、そこがユーティリティとなる。
 キッチンのバルコニー側が洗濯機置き場となっていて、洗濯物を干すこともできる——そんなユーティリティもある。広い意味ではキッチンの一部なのだが、調理以外の家事をするためのスペース、それがユーティリティというわけだ。
 ちなみに、ユーティリティの中でも机と椅子を設置したものは「ミセスコーナー」とか主婦コーナーとよばれることがある。

「ユーティリティ」の用途は?
 ユーティリティは、キッチンに隣接しているのが特徴。つまり、調理をしながら、調理以外のことをしやすいようにしているわけだ。調理をしながら、洗濯機を回す。調理の合間に家計簿を付ける——そういった用事ができて便利なスペースというわけだ。
 そのため、キッチンから離れた場所に主婦の個室を設け、そこで家計簿を付けたり、アイロンがけをしても、その部屋はユーティリティとは呼ばれない。あくまでも、キッチンに隣接しているのがユーティリティの条件となる。

実際に「ユーティリティ」を使った印象は?
 主婦にユーティリティを使った印象を聞くと、概ね好評。家事が効率よくできるという声が多い。そして、「この家は、ユーティリティ以外でも使いやすいところが多い」という声も。これは、「ユーティリティを設置するような住宅は、その他の部分でも主婦のことをよく考えている」ことを示しているのだろう。
 ユーティリティは家事がしやすいかどうかのバロメーターといったところか。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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デン

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【NO.106】デンのウソ・ホント

「デン」ってどんなものなの?
 デンは、英語でDEN。鳥や動物の巣、もしくは穴蔵を指す言葉で、そこから「狭い空間」という意でも用いられる言葉だ。デンが表すのは、狭い場所というだけではない。狭くても心が温まる場所。安心してくつろぐ事のできる「ねぐら」のような場所という意味が込められる。
 そこで、住宅の間取りでも、「狭いけれど楽しい場所」というニュアンスで用いられるようになっている。

「デン」と名付けられたスペースの用途は?
 日本のマンションでデンが生まれるのは、「居室」扱いできないスペースが生じたときだ。  間取り図で「洋室」とか「和室」と表記するためには、建築基準法で「居室」と認められるスペースでなければならない。広さ、天井の高さ、出入り口や窓の大きさ、窓からの採光など、いろいろな条件をクリアしたスペースが「居室」と認められる。
 しかし、広さが足りなかったり、窓がなかったりしたスペースは「居室」ではなく。「納戸」扱いになっていしまう。「納戸」ではイメージが悪いので、サービスルームと呼ばれたりするのだが、サービスルームと同様に用いられるのが、この「デン」。居室扱いできないスペースを魅力的にみせるため、「デン」という呼び名が用いられているわけだ。

「デン」の使い勝手はどうなの?
 デンとよばれる空間は、通常3畳程度と狭い。だから、趣味の部屋や書斎、パソコンルームとして活用されるのが一般的。しかし、子供部屋が足りなければ、子供の自室として活用される。場合によっては、夫婦の寝室になることもある。
 その場合、狭い空間なので、快適に暮らすための工夫が求められる。照明を増やしたり、通気をよくするため、ドアの代わりに「のれん」を使うといった工夫である。
 デンは、工夫次第で用途が広がる空間でもある。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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ミセスコーナー

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【NO.089】ミセスコーナーのウソ・ホント

「ミセスコーナー」って、どういうものなの?
 「ミセスコーナー」が設置されるのは、キッチン部分。システムキッチンの脇に机として使えるカウンターを設置し,本棚程度の収納を設ける——これが、最もシンプルなミセスコーナーだ。キッチンでの調理には,ときどき待ち時間ができる。野菜が煮えるまで15分くらい待つ、といった時間だ。
 その空き時間にちょっと本を読んだり、家計簿をつける、縫い物をするといった作業をするスペースがミセスコーナーというわけだ。
 そのため、ミセスコーナーは決して広いスペースではない。希に2畳以上で大きな窓付きという設計もあるが、普通はキッチン内もしくはキッチン横のちょっとしたスペースという趣きが強くなる。

「ミセスコーナー」の使い勝手は?
 実際にミセスコーナーを使っている人の評価を聞くと、これがあまり芳しくない。電子レンジや炊飯器の置き場所になっている、というのはまだいいほう。料理の本や新聞,チラシを重ねて,物置になっているという声が多かった。調理をしている間、そんなに時間は空かないし、もし空き時間ができたら、ダイニングテーブルに座っているというのだ。
 そんな中、重宝しているという声があったのは、「ノートパソコンの置き場所として」。インターネットで料理のコンテンツを開き、それを見ながら調理をする。そんな時、困るのがパソコンの置き場所。水に濡れる場所には置きたくないが、キッチンは狭い。その点、ミセスコーナーは水がかからないし、火からも離れている。だから、安心してノートパソコンを置きやすいというわけだ。

実際に使いやすい「ミセスコーナー」の条件は
 実際に使っている人の声からすると、使いやすいミセスコーナーの条件はノートパソコンを置きやすいこと。電気のコンセントは必需。無線LANが普及しているが、インターネット用のアウトレットもあったほうがいいだろう。机として使われるケースが少ないのだから、カウンターは高めの設定でもよいはずだ。女性が立ってパソコン画面を見やすい高さにし、下部は収納棚として活用する。
 そんなミセスコーナーであれば使い勝手が向上すると思うのだが、まだそのようなミセスコーナーは実現していない。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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ソーホー

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【NO.083】ソーホーのウソ・ホント

「ソーホー」って何のことなの?
 ソーホーは英語でSOHOと表記され、スモールオフィス/ホームオフィスを略したもの。自宅兼用の小さな仕事場という意味である。その誕生は90年代の半ば、ニューヨークのマンハッタンで、コンピューター関係のフリーランサーが数多く創業。彼らは、倉庫を改造した天井の高い自宅兼用の小さな仕事場を好んだことから、その自宅兼仕事場をソーホーとよぶようになった。
 いまは、コンピュータ関連に限らず、知識・専門職でフリーランスの人間のために企画された自宅兼仕事場全般がソーホーということになっている。

「ソーホー」と呼べるのは、どんなマンション?
 「ソーホー」型間取りに、必要な条件はない。分譲でもいいし、賃貸でもいい。ワンルームでも3LDKでも構わない。しかし、「ストレスなく仕事ができるスペース」となると、いくつかの要素が求められる。例えば、仕事場にはイマジネーションを生み出すためのゆとりが必要。つまり、リビングダイニングを仕事場兼用にするなら、ある程度の広さ(一人暮らしなら10畳以上、2人暮らしなら15畳以上)が必要だし、天井も高いほうがよい。そして、仕事をする部屋とは別に寝る部屋をしっかり確保しておくことも大切だ。
 そのため、日本ではLD部分の天井高が3mとか4mあって、ロフト付き——そのロフト部分で寝ることのできる間取りが「ソーホー」型の代表になっている。

「ソーホー」に短所はないの?
 ソーホーでは、立地も重要。インターネットを使って仕事ができるとはいえ、クライアント等からの急な呼び出しにも対応できるように、都心近くに位置しているほうが良いからだ。その上で、割安な家賃も求められるところ。ニューヨークのフリーランサーが倉庫を改造して自宅兼仕事場にしたのも、倉庫ならば都心近くでも家賃が安かったからだ。
 その点、日本はどうだろう。東京の都心部に、家賃が安く、住めるように改造できる倉庫などない。そこで、高い家賃や分譲代金を払って、ソーホー型間取りのマンションを借りたり、買ったりしなければならない。
 ソーホーの暮らしを手に入れるには、まずフリーランサーとして成功しなければならないわけで、この点が大きな短所といえるだろう。
 なお、分譲マンションのソーホー型間取りには「純粋な住居ではない」ため、公庫融資が使えないものがある。購入時には注意したい。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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ロフト

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【NO.074】ロフトのウソ・ホント

「ロフト」ってどんなものなの?
 屋根裏部屋のようなスペースで、はしごや急な階段を使って昇り降りするのがロフト。同様に、屋根裏(建築上は小屋裏という)のスペースを活用した物置を日本では「グルニエ」と呼んでいる。物置であるグルニエに対し、趣味のスペースなど自由に使える空間をロフトと呼ぶのが一般的だ。
 しかし、建築基準法では、ロフトもグルニエも同じ「小屋裏物置等」という扱いになる。「小屋裏物置等」は、天井高が1.4m以下で、直下の階の床面積の2分の1の面積のものと定められている。平成12年までは8分の1までの広さしか許されていなかったのだから、だいぶ緩和されたことになる。
 ここで気になるのは、天井高。わざわざ「1.4mまで」としている理由は何か?
 実は、この高さはロフトの長所と深く関わっているのだ。

「ロフト」の長所は何?
 「小屋裏物置等」とよばれるのは、天井高が1.4mまでで、直下の床面積の2分の1までの広さのもの——このサイズ以内であれば、階数にもカウントされないし、床面積にも算入しなくてよい、というのが建築基準法の決まりなのである。
 もし、ロフトの天井高や広さが上記の基準を超えたらどうなるだろう。2階建てのアパートは3階建てとみなされてしまう。また、ロフトの広さを床面積に加えなければならないから、容積率オーバーということになりかねない。いずれの場合も違法建築になる可能性があるのだが、「小屋裏物置等」のサイズ内であれば問題なし。
 つまり、2階建てまでしか建設できない場所でであっても、はたまた容積率いっぱいに建設されたアパートでも、「小屋裏物置等」であるロフトやグルニエなら、堂々と追加できるというわけだ。これが、建設する際のメリット。そして、住む人にとっては、オマケのスペースが付いているようで得した気分になるし、実際に部屋が広く使えるというメリットもある。

「ロフト」に短所はないの?
 ロフトは本来、物置や趣味のスペースとして使うべき空間。建築基準法では居室として使えないのだが、アパートなどでは布団を敷いているケースもある。
 その場合、天井が低いのがかえって落ち着いてよい、という声もある。書斎代わりに使ったときも落ち着いて居心地がよいとか。この穴蔵のような落ち着きもロフトの長所だ。
 対して短所となるのは、屋根の断熱が不十分だと、夏は暑いということ。はしごや急勾配の簡易階段が主体になるので、あわてると落ちやすいという短所もある。運動神経がよく、身軽な若者に向いたスペースといえるだろう。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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メゾネット

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【NO.056】メゾネットのウソ・ホント

「メゾネット」って、どういうなの?
 マンションでありながら、上下2フロアを1住戸として使用。住戸内に階段がある形式が「メゾネット」だ。ただし、木造アパートのように2階建ての集合住宅で、1階・2階を1住戸で使う場合は異なる呼び方をされる。その場合は、タウンハウスもしくはテラスハウスが正しい呼び方だ。
 メゾネットは、3階建て以上の集合住宅で、2フロアを1住戸で使う場合の呼び名。同じように2層構造になった住まいに「ロフト付き住戸」というものがある。例えば、LDからはしごを上がると、上部に小部屋がある構造だ。
 このロフト内は天井が低く、収納スペースとして使われるのが本来の用途。布団を敷いて“寝室”代わりに使われることもあるが、建築基準法上「居室」とは認められないスペースである。
 これに対し、メゾネットでは、上下に建築基準法で認められる「居室」があり、取り外し可能なはしごではなく、しっかりした階段で行き来するようになっている。
 これが、ロフトとメゾネットの違いだ。

「メゾネット」の長所は何?
 3階建て以上の集合住宅では、一つの住戸が同じフロア内にある。これを「フラットフロア」とよぶ。フラットフロアだと、住戸内に階段がないために、部屋と部屋の行き来が楽。しかし、住戸内に変化が乏しく、おもしろ味のない住まいと考えること もできる。そこで、住戸内に変化を与えようと考え出されたのが「メゾネット」というわけだ。
 メゾネットにすると、例えば下階にLDKを置き、上階に主寝室・子供部屋・浴室を置いて、パブリック(下階)とプライベート(上階)をはっきり分けた暮らしができる。
 逆に上階にLDKを置き、下階に寝室を置けば、LDで子供が遊んでも、下の住戸に音の迷惑をかけずに済むという長所も生まれる。
 そして、個性的な住戸となり、人に自慢ができる。これが、メゾネットの最大の長所となる。

「メゾネット」に短所はないの?
 個性的であり、魅力的でもあるメゾネットだが、短所もある。
 最大の短所は、住戸内に階段を設けなければならないため、有効面積が少なくなってしまうことだ。また、上下階に一つずつトイレがないと何かと不便なため、普通なら一つで済むトイレを二つ設けることが多い。となると、それでまた有効面積が減ってしまう。
 一般に、階段を設け、トイレを二ヶ所にすることで、専有面積の10〜15%を使ってしまうとされている。専有面積100m2のマンションの場合、フラットフロアタイプなら100m2を丸々使えるが、メゾネットタイプになると、85〜90m2しか使えないわけだ。
 このロスを少なくするためにトイレを1ヶ所だけとし、階段を急勾配にすると生活に支障が生じ、階段から転落する危険も多くなる。
 メゾネットタイプのマンションを選ぶときには、以上の短所があること覚悟しなければならないわけだ。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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ペット可マンション

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【NO.045】ペット可マンションのウソ・ホント

ペット可マンションって、どんな動物が飼えるの?
 これまで、アパートやマンションといった集合住宅では「ペット禁止」になっていることが多かった。といっても、どんなペットも禁止されていたわけではない。例えば、カナリヤやインコなどの小鳥、金魚・熱帯魚類は「禁止ペット」の対象外だった。
 理由は、小鳥や魚ならば鳴き声や臭いで他の住人に迷惑を及ぼす可能性が低いから。つまり、「ペット禁止」とは、鳴き声や臭いで他の住人に迷惑を及ぼす動物を室内で飼うことを禁止するルールだったわけだ。
 もっとも、「ペット禁止」は世界共通のルールではない。欧米では集合住宅で大型の犬を飼っても問題なし。もちろん、しっかり躾られた犬に限り、鳴き声で迷惑をかける犬は即刻追放されてしまうが……。
 そのため、日本でも「外人向き集合住宅」では、以前からペット可になっていた。日本の一般的集合住宅でペット可が現れだしたのは平成に入ってから。さらに数が増えてきたのはここ5年くらいの傾向だ。
 ペット可マンションで飼うことが許されているのは、「小鳥、魚のほか、ハムスターなどの小動物、そして猫と中型までの犬」というのが一般的。中型犬は1匹まで。小型犬は2匹までというように頭数も規制されているのが普通だ。

ペット可マンションならではの工夫って何?
 室内でペットを飼えるようにした集合住宅には、いろいろな工夫が施される。例えば、マンション全体の入り口に汚物捨てやペットの足洗い場を設けるのも、その一つ。外を散歩した際、フンをビニール袋等に入れて持ち帰る。そのフンを捨てる専用場所が設けられているわけだ。なかには水洗トイレのような汚物捨てが設けられることもあり、フンを流し捨てることができて便利だ。
 ペットの足洗い場は、室内に入る前に、ペットの足を洗う場所。「室内に入るまでのエントランスやエレベーター内ではペットを抱きかかえること」と定めている集合住宅が多いため、入り口で足を洗う場所が必要になるわけだ。
 次に室内では、ペットの爪でキズが付きにくいフローリング材を採用したり、臭いを吸収する壁紙を使ったりする。強力な空気清浄機を設置している集合住宅もあるが、その数は多くない。

ペット可マンションに短所はないの?
 ペットが家族の一員という家庭にとって、ペット可マンションは願ってもない住まい。ただし、注意しなければならない点がひとつある。それは、人気のない物件の借り手や買い手を集めるため、「ペット可」にしている物件があることだ。
 例えば、駅から遠い分譲マンションを売り出したが、不便さが嫌われ、さっぱり売れない。そこで、「ペットが飼える」ことにして客を集めるケースがあるわけだ。
 その場合、ペットを飼うための工夫がまったくなく、住民のルールである「管理規約」等で、「当マンションはペットの室内飼育が許される」としているだけのケースもある。設備や内装の工夫なしでペット可としても、建築基準法など法律上は問題がない。問題はないが、長く住み続けると支障が出やすい。
 また、ペットが飼えることにつられ、不便な物件を借りたり、買ったりすれば生活上の支障もでる。
 ペット可の物件を選ぶときは、工夫があるかどうかの確認が必要。それ以上に立地や部屋の広さなど基本条件のチェックが大切になる。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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