2007年1月30日 (火)

避難ハッチ

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【NO.168】「避難ハッチ」のウソ・ホント

避難ハッチって、どんなものなの?
 避難ハッチは、バルコニーの床に設置されるもの。通常は金属板でカバーされた状態になっており、避難する必要があるときはそのカバーを持ち上げる。
 すると、下の階に通じる避難ばしごが出され、そのはしごを降りて避難できる仕組みだ。
 マンションの場合、火災などで玄関から逃げ出すことができなくなった場合、バルコニーが避難路となる。玄関から避難できないとき、そして、エレベーターや階段が使えないときでも、バルコニーの避難ハッチを使えば、上層階から下に降りることができる。避難ハッチは万一のときの大切な避難路になるわけだ。

避難ハッチはすべてのバルコニーに付くの?
 避難ハッチは、すべてのバルコニーに設置されるわけではない。設置されるのは一部の住戸だけ。一般には、妻側(端に位置する)住戸のバルコニーに設置されることが多い。
 それでは、上層階で避難ハッチが設置されない住戸はどうするのか。避難ハッチのない住戸は、バルコニーから隣のバルコニーに移ることができるようになっている。隣に、そのまた隣に……というように横に移動し、一番端のバルコニーで、床に設置された避難ハッチから階下に降りるわけだ。
 下の階に降りたら、その階の避難ハッチでさらに下の階へ。そのように降りてゆくため、避難ハッチは上下階で位置をずらして設置される。避難するとき、はしごから足を踏み外しても落下し続けることを防ぐようになっているのである。

避難ハッチの注意点は?
 非接触キーはエントランスに入るための動作を簡単にしてくれる。
 緊急時のためにどうしても必要な避難ハッチ。しかし、それがあると、バルコニーの使い方に制限が生じてしまうことがある。
 例えば、バルコニーにウッドデッキを敷くときだ。
 一般的に、バルコニーにはウッドデッキを敷いてもよいことにしているマンションが多い。その場合でも、避難ハッチを防ぐようにウッドデッキを敷くことは許されない。
 避難ハッチ部分はウッドデッキをくりぬき、避難に支障がでないようにしなければならない。
 そのため、どうしてもバルコニーのウッドデッキを敷き詰めたいときには、避難ハッチのない住戸を選ぶ、といった配慮が必要になってくるのである。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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2006年6月27日 (火)

バルコニーを仕切るコンクリート壁

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【NO.153】バルコニーを仕切るコンクリート壁のウソ・ホント

「バルコニーの仕切り」は従来、どうなっていた?
 マンションのバルコニーは洗濯物を干したり、観葉植物を育てるためだけの場所ではない。複数の住戸のバルコニーが連なっている場合、そのバルコニーは避難路の役目も持つのが普通だ。
 火災などで玄関側の通路が使えないときも、バルコニー側に避難路があれば住人は安全に逃げ出すことができる。避難路としての役目があるため、バルコニーとバルコニーを仕切る壁は「いざというときに破りやすい」構造でなければならない。そこで、最も多いのが鉄製の枠に石膏ボードをはめ込み、壁にしたもの。普段は壁として機能するが、石膏ボードを足で蹴れば簡単に穴が開く。だから、避難路としても確保されるというもの——それが、バルコニーに設置される仕切り壁の一般的な形状だった。

「バルコニーを仕切るコンクリート壁」誕生の理由
 石膏ボードを用いた従来型の仕切り壁には、致命的な欠点がある。それは、住戸間でプライバシーを保ちにくい、ということ。
 石膏ボードでも、お互いの姿は見えない。もちろん、隣のバルコニーを覗こうと思って身を乗り出せば、お隣さんの姿を見ることは可能。しかし、それは軽犯罪のひとつで、常識のある人なら行わない。
 お隣さんがバルコニーに出ていても、その姿は見えないが、声は聞こえる。声を出さなくても、なんとなく気配を感じることもある。
 だから、マンションのバルコニーでは、お隣さんに遠慮しながら過ごすことが少なくなかった。つまり、プライバシーを保ちにくかったのである。
 このプライバシーを保ちやすくするために考え出されたのが、コンクリート製の仕切り。コンクリート壁で完全に塞いでしまうと避難路として使えなくなる。そこで、コンクリート壁に1m四方くらいの穴をあけ、この穴部分に石膏ボードのパネルをはめ込む。石膏ボード部分を最小限にすることで、バルコニー内のプライバシーを保ちやすくしたわけだ。

「バルコニーを仕切るコンクリート壁」の短所は?
 石膏ボードを最小限にし、壁の大部分をコンクリート製にすると、日当たりが悪くなると思われがち。しかし、石膏ボードの間仕切りも同様に日差しを遮っていたので、コンクリートの仕切り壁特有の短所とはいえない。それよりも問題になるのは、コンクリート壁の重量だ。
 仕切り壁をコンクリート製にすると、バルコニーに大きな重さがかかるため、バルコニーの外側にも柱が必要になる。そのぶん、工事費が高くなるのだが、この柱が設置できない場合、コンクリートの仕切り壁は設置できないということに……。これ以外で、実際に使った人からの不満等は聞こえてこない。
 工事費用は若干高くなるが、居住性は向上するため、これから増えていって欲しい工夫の一つである。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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2006年6月13日 (火)

サービスバルコニー

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【NO.152】サービスバルコニーのウソ・ホント《会員リクエスト》

「サービスバルコニー」って、何?
 サービスバルコニーは、バルコニーの一種。では、どのようなバルコニーを「サービスバルコニー」と呼ぶかというと……、その規定は残念ながらない。慣例的に、ある種のバルコニーを「サービスバルコニー」と呼んでいるだけだ。
 バルコニーは災害時に避難通路として用いられる場所なので、人が不自由なく通行できる幅がないと困る。そのため、最低でも1m以上、通常は1.5m以上の奥行があるもの。それだけの奥行がなく、また避難通路としての役割も持たないバルコニーは「サービスバルコニー」と呼ばれることが多い。  あえて基準を設けようとすれば、以上が「サービスバルコニー」の内容となる。

現実の「サービスバルコニー」はどんなもの?
 実際に「サービスバルコニー」と名付けられるものを見ると、狭いだけでなく、日が当たらなかったり、目の前に壁などがあって見晴らしがわるいというものが少なくない。
 バルコニーといえば、日当たりや眺望がよく、庭のような開放感を味わえる場所を連想しがちだが、それとは大きく異なるイメージだ。
 しかし、エアコンの室外機を置いたり、一時的に荷物を置く場所としては重宝する。庭のような気持ちよさはないが、何かと便利な場所。それが、サービスバルコニーの実状である。

結局、「サービスバルコニー」は得なの、損なの?
 「サービスバルコニー」という言葉には、サービスで取り付けたバルコニーというニュアンスがある。「本来は、バルコニーを設置できるような場所ではない(日当たりや眺望の面から)し、サイズも小さくなるが、あれば何かと便利でしょうから付けておきました」という意味合いのバルコニーというわけだ。
 同時に、それをバルコニーと名付けると、入居後にクレームが起きる——例えば「バルコニーと書いてあるから期待したのに、狭いし、暗いじゃないか」というような文句をいわれることを防ぐため、「サービス……」と名付けている側面もある。
 では、「サービスバルコニー」は損なのか。
 住戸に付いているバルコニーがすべてサービスバルコニーだったら、それは問題だ。しかし、ちゃんとしたバルコニーがあり、それとは別にサービスバルコニーが付くのならば、それは「得」と考えてよい。
 サービスバルコニーといっても、設置するためには余分な工事費用がかかる。費用と手間をかけて「あれば、何かと便利」なスペースを付けてくれるわけだから、決して損ではなく得と考えられるからだ。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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2006年5月30日 (火)

両面バルコニー

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【NO.147】両面バルコニーのウソ・ホント

「両面バルコニー」ってどういうもの?
 両面バルコニーというのは、バルコニーが対局に2面あることを指す。
 例えば、南向きの住戸の場合、南面と北面にバルコニーがあるという意味。そうではなく、南面と東面の2カ所にバルコニーがある場合は「2面バルコニー」となり、両面バルコニーとは呼ばれない。
 メインのバルコニーの対局(反対側)にもう一つのバルコニーがある場合が両面となるわけだ。

「両面バルコニー」の長所は?
 両面バルコニーは、大きなセールスポイントとなる。それは住戸の独立性が高まるから。そして、両面バルコニーの住戸は数が少ないこともセールスポイントになる理由の一つだ。なぜ、数が少ないのかを説明しよう。
 両脇を他の住戸で挟まれた「中住戸」の場合、窓を設置できるのは基本的に2面だけ。南向きであれば、南面と北面に窓が設置され、東面と西面は隣戸と接する壁となる。
 窓を設置できる南面と北面のうち、北面にはバルコニーを設置しにくい。みんなで使う通路=共用廊下に接することが多いからだ。だから、両面バルコニーは数が少なくなるわけだ。
 共用廊下に接した窓だと、開け放した生活はしにくくなる。窓を閉め、カーテンやブラインドも閉じておくのが普通だ。これに対し、両面バルコニーの場合は、窓を開けておきやすい。南面の窓も北面の窓も開け放しやすいので、住戸内の風通しがよくなるという長所もある。
 さらに、窓のそばを他人が通行するということもないので、プライバシーを保ちやすいなど、両面バルコニー長所は多いのである。

「両面バルコニー」に短所はないの?
 長所の多い両面バルコニーだが、最大の短所は数が少ないこと。両面バルコニーを実現するには共用廊下をなくし、隣り合う2戸に対し1基のエレベーターや階段室を設けるなどの設計が必要だ。
 もしくは、共用廊下と住戸の間を離す「空中廊下」方式を採用し、開いた空間を利用してバルコニーを設置する工夫が求められる。
 いずれも手間と費用がかかり、分譲価格や賃貸料を上げる要因となってしまう。
 採用したいが、簡単には採用できない——それが両面バルコニーの短所になるわけだ。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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ルーフバルコニー

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【NO.131】ルーフバルコニーのウソ・ホント

ルーフバルコニーって、どういうものなの?
 ルーフバルコニーは、ルーフ=屋根のバルコニーのこと。つまり、住戸の屋根部分を活用したバルコニーという意味だ。
 一般のバルコニーの場合、その下は部屋ではない。バルコニーの下にあるのは、下の住戸のバルコニー。これに対し、ルーフバルコニーは屋根を活用しているため、その下には、下部住戸の部屋がある。それが、ルーフバルコニーの条件となる。
 それでは、なぜ、住戸の上=屋根部分がバルコニーになるのか。これは、二つのケースがある。
 一つは、上の階になるほど、建物が細くなる場合だ。例えば、4階では建物の奥行が10mあるのに、5階では奥行が6mになるとき、5階の住戸に奥行4mのルーフバルコニーが生じるわけだ。
 もう一つのケースは、階ごとに建物がズレている場合だ。斜面を生かしてマンションを建設すると、建物は段々畑のようになる。このようなマンションは「斜面マンション」と呼ばれるが、斜面マンションではすべての住戸をルーフバルコニー付きにできることになる。

使いやすいルーフバルコニーとは?
 ルーフバルコニーには使いやすいものと、使いにくいものがある。使いやすいか、使いにくいかは日当たりで決まる。日当たりのよい南向きであれば、植物の生育がよく、ひなたぼっこもしやすい。つまり、利用価値が高い。しかし、日が当たらない北向きの場合、植物の生育がわるいので、鉢植えを置く場所として適さない。夏以外は、快適でもない。つまり、利用価値は低くなる。
 斜面マンションのバルコニーは南向きのものが多く、概して利用価値の高いものが多くなる。
 これに対し、上に行くほど建物を細した結果として生じたルーフバルコニーは、北側に設置されやすい。というのも、上に行くほど建物を細くするのは、北側の隣地の日当たりをよくするため。ということは、建物の北側を削って細くすることになる。必然的にルーフバルコニーは北側に設置されるわけだ。このような北側のルーフバルコニーは、南側のルーフバルコニーより利用価値が劣ることを覚えておきたい。

ルーフバルコニーのルールは?
 ルーフバルコニーは、住戸の上に位置するため、「走り回ってはいけない」というように、特別のルールを設けることが多い。そして、1階住戸の専用庭と同様に、毎月使用料を徴収されるのが普通だ。月額で数百円とか千円程度のことが多いが、通常のバルコニー付き住戸より、負担が増えることは覚悟したい。
 その他、大型の物置など、簡単に動かすことのできないものを置いてはいけない——これは、通常のバルコニーと同様である。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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バルコニー(応用編)

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【NO.130】バルコニー(応用編)のウソ・ホント

「バルコニー」に使いやすい、使いにくいはあるの?
 バルコニーには使いにくいものがある。
 例えば、隣の建物と近いのに、バルコニー内が丸見えになってしまう設計のもの。逆に、景色のよい場所のマンションなのに、バルコニーの柵がコンクリート壁になっていて、景色を楽しめないもの……。
 なにより使いにくいのは、狭いバルコニー。奥行きが1メートル20センチ未満だと狭苦しい印象になるし、鉢植えなどをも置きにくくなる。
 また、バルコニーに面して全面の窓を設けていると、エアコンの室外機の置き場所に苦労することがある。このように室外機を設置しにくいバルコニーも使いにくいと言わざるを得ない。
 バルコニーに降った雨は専用の排水管で排出される。この排水管は、外から見えない場所に配置されるのが普通。そのため、LDなど室内側からよく見えてしまうことがある。
 見えてしまうのに、目立つ色だとうっとうしい。例えば、白い柱に沿って、あか茶の排水管があり、その様子がLDから見えると、見苦しいわけだ。これなども使いにくいバルコニーになる。

「バルコニー」を快適にするポイントは?
 眺望のよいマンションの場合、バルコニーの柵を細い鉄柵にするとか、アルミのフェンスにガラスを入れるといった工夫が求められる。逆に、外から覗かれやすいバルコニーの場合、コンクリートのフェンスで視線を遮ったほうがよい。
 エアコンの室外機置き場がしっかり確保され、しかも、室外機を隠すように格子戸等を設ける工夫もうれしい。雨水の排水管も外壁や柱と同系色にしてあるべきだ。
 バルコニーにテーブルと椅子を置き、食事やお茶を楽しめるようにする工夫もあるが、屋外で暑くも寒くもない、風もないし、虫もこない日は1年に何日もない。そのことを考えると、バルコニーと室内の中間的なサンルームを設けているほうが使い勝手はよいと思える。

こんな設備があると便利
 バルコニーにあると便利なのは、電気の外部コンセントと外部水栓。プランターで緑を育てるときは、外部水栓がどうしても欲しい設備となる。最近は、小さく、目立たないデザインの外部水栓もあり、注目されている。
 夏の西日が厳しくなるバルコニーに、日除けを設置するためのフックを最初から設置してあるマンションもある。これなども、簡単だが、お役立ち度の高い設備といえるだろう。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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バルコニー

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【NO.129】バルコニーのウソ・ホント

バルコニーなの?ベランダなの?
 バルコニーとは、「2階以上に付けられる人工の庭」のこと。マンション、アパートだけでなく、2階建て以上の戸建て住宅にも採用される。
 このバルコニーは「ベランダ」と呼ばれることもある。正確に使い分けると、2階以上に設置されるのがバルコニーで、1階部分に設置されて屋根付きとなるのがベランダ——欧米ではそのような違いがあるようだが、日本ではまったく同じ意味で使われているのが実情。最近はバルコニーという表記が増えている気がするが、ベランダと呼んでも問題ないわけだ。

バルコニーはどれくらいの広さが必要?
 マンションやアパートの2階以上では、土の庭が付かない。その代わりとなるのがバルコニー。だから、広ければ広いほどよいと考えられがち。しかし、広すぎて不都合が生じることもある。
 例えば、南側に設置されるバルコニーの場合、奥行を深くすると、室内の日当たりがわるくなってしまうことがある。
 バルコニーの奥行が1メートル以下だと狭い印象になるが、奥行が2メートル以上になるのも問題ありというわけだ。
 南側に設置されるバルコニーの場合、奥行は1.5メートルから2メートルくらいが適当。幅はいくら広くても支障はない。また、北側のバルコニーの場合、奥行が深くても支障は生じない。

バルコニーでできること、できないこと
 バルコニーは庭の代わり、ではあるが、何でも好きなようにできる場所ではない。火災など万一のときの避難路になるため、通路を塞ぐような物を置いてはいけないのだ。
 わかりやすくいうと、鉢植えなど動かしやすい物なら、置いても問題なし。しかし、大型の物置のように、簡単に動かせないものは設置不可となるのだ。
 そこで、現実的には洗濯物を干し、エアコンの室外機を置く、そして鉢植えを育てるというのが主な使い方となる。
 そのほか、バルコニーの床に木製タイルなどを敷き、ウッドデッキ風にするのも許容範囲。玉砂利を薄く敷くのも許される。そのくらいが一般的な活用法ということになる。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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鉄柵

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【NO.086】鉄柵のウソ・ホント

「鉄柵」って、どういうものなの?
 「鉄柵」とは、文字どおり、鉄でできた柵のこと。らせん階段を覆ったり、共用廊下、バルコニーのフェンスとなったりと、いろいろなところで用いられるものだ。その特徴は、頑丈で、粘りもあること。火にも強いので、安全を守る目的で多用されてきた建材である。

「鉄柵」の代わりに「アルミ柵」が用いられる理由は?
 この鉄柵と同様に使われるのがアルミ柵。鉄柵と同じ用途で、素材がアルミになっているものだ。アルミの柵には、軽く、メンテナンスが不要と言う長所がある。鉄柵の場合、数年ごとに塗装をし直す必要があり、塗装が剥げると、錆が生じるという短所がある。その点、アルミであれば、工場で色付けされ、設置されてからの塗り直しは不要。錆の心配もまずない。
 以上の長所から、最近のマンション、アパートでは、鉄柵の代わりにアルミ柵が増えているのである。

「鉄柵」の長所は?
 アルミ柵が増えている中、鉄柵は姿を消したわけではない。相変わらず鉄柵を用いる建物があり、特に高級マンションでは鉄柵の利用率が高い。その理由は、「鉄ならば、細くても十分な強さが出る」ことに他ならない。
 バルコニーのフェンスを鉄かアルミの柵にしようと考えた場合、柵自体は細いほうが良い。見晴らしが良くなるからだ。しかし、アルミを用いると、柵の1本1本を太くしなければならない。もしくは、アルミ柵を格子状に組んで強度を出す必要があリ、いずれの場合も、柵が目についてしまう。
 その点、鉄柵であれば、柵の1本1本を細することで目立ちにくくできる。柵越しの眺望が良くなるだけでなく、外観もスマートにみえる。
 そのため、デザインを重視する建築士はアルミ柵よりも鉄柵を用いたがる。しかし、設置費用やメンテナンス費用を考えて、アルミ柵になるケースが多いというわけだ。
 現代の集合住宅において、鉄柵は高級なつくりの目安にもなるわけだ。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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スロップシンク

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【NO.054】スロップシンクのウソ・ホント

「スロップシンク」って、どんなものなの?
 スロップシンクのスロップは「汚れた水」とか「泥水」の意味で、シンクは「流し」という意味。深く大型の流しを備え、水道とお湯の蛇口、もしくは混合水栓を備えた設備がスロップシンクである。 これは、本来、掃除用のモップを洗ったり、洗濯物を手洗いするために生み出された。br /> もっとも、日本では、家庭でモップを使うケースが少ないので、主に運動靴を洗ったり、換気扇を洗うなどの用途で使われている。特に靴を洗う場所として便利なため、かつては「ズック洗い」とよばれることもあったほどだ。しかし、「ズック」という名称が消えかかっている今、スロップシンクという名前が広く使われるようになっている。

「スロップシンク」の最新傾向は?
 スロップシンクが設置されるのは、洗濯機置き場の隣や、台所に隣接する「ユーティリティ」と呼ばれる場所など。主婦が家事を行う場所に設けられるのが一般的だ。さらに、最近は、マンションなど集合住宅のバルコニーに設置される例も増えている。
 バルコニーのスロップシンクは、鉢植えをいじったり、プランターで花を育てたり、というバルコニーでのガーデニングに便利なように設置されるもの。土で汚れた手や道具をその場で洗うとき、スロップシンクがあれば助かるわけだ。
 鉢植えへの水遣りのためにもバルコニーのスロップシンクは便利。さらに、バルコニーを掃除する際にも、スロップシンクが役に立つという利点もある。

「スロップシンク」に短所はないの?
 あれば便利な設備なのだが、このスロップシンク、賃貸の集合住宅ではあまり設置されない。それは、スロップシンクを設置できるほど洗面所やキッチンが広くないのが、大きな理由。また、どうしても必要な設備ではない、というのも賃貸住宅で設置されない理由である。
 この「なかなか設置されにくい」ことが、スロップシンクの最大の短所といえるだろう。実際のところ、使っている人たちの間では、特に大きな欠点は指摘されていない。バルコニーのスロップシンクにいたっては、「本当に便利」という声が多い。もっと広まって欲しい設備である。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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室外機置き場

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【NO.052】室外機置き場のウソ・ホント

「室外機置き場」って、どんなものなの?
 シングルレバーの混合水栓に、ハンド バルコニーと同様に建物から飛び出した場所なのに、バルコニーとは呼ばれない——それが室外機置き場だ。バルコニーと室外機置き場の違いは、ズバリ大きさ。室外機置き場はバルコニーより狭く、幅が1.5メートル以内、奥行1メートル以内というのが一般的。幅1メートル、奥行0.5メートルほどのサイズということもある。
 非常に狭いため、日光浴をしたり、洗濯物を干す場所としては不十分。あくまでも、エアコンの室外機を置く場所として使われる。そのため、部屋から室外機置き場への出入りは、簡単にできないようになっている。通常、バルコニーに面した窓は掃き出し窓(床面からの窓)になるが、室外機置き場に面した窓は、腰高窓(床から1メートル程度の高さに設置される窓)になるのが普通。バルコニーとして使うには狭いので、頻繁に出入りできないようにしているわけだ。
 このようにバルコニー状のほか、共用廊下の一部に設置される「室外機置き場」もある。これはどういうものかというと……。
 共用廊下に面した部屋には出窓が設けられることがある。共用廊下に出窓が飛び出している形式だ。その場合、出窓の下部分にスペースが空く。この空きスペースを「室外機置き場」として活用するわけだ。
 以上の二つが、「室外機置き場」である。

「室外機置き場」の長所は何?
 共用廊下に面した出窓下の室外機置き場は、いわばスペースを有効利用したもの。これに対し、バルコニー状の室外機置き場は、わざわざ室外機のためだけに“ミニバルコニー”をつくらなければならない。
 なぜ、費用をかけて室外機のためのスペースをつくるのか。
 それは、なるべくエアコンの室内機の近くに室外機を置きたいからだ。室外機を置く場所が限られると、部屋の位置によってはパイプを長くしなければならない。これは効率がわるいし、パイプ代も高くなる。それで、必要な場所に室外機が置けるように、室外機専用の“ミニバルコニー”を設置するわけだ。
 室外機置き場の場合、小さくいし、さほど重くないため、通常のバルコニーを設けるより工事費用が安く済む。それで、バルコニーではなく、室外機置き場にする、という理由があるのも事実だ。

もっと狭い「花台」との違いは?
 「室外機置き場」よりもっと小さいのもので、「花台」と呼ばれる“ミニミニバルコニー”もある。この花台は、室外機も置くことができず、奥行30センチ程度のことも。用途は鉢植えなどを並べ、家を飾るためのもの。実用性は乏しいため、工事費を節約する場合には設置されない。小さくても花台が設置されていれば、お金をかけた建物の証拠になるわけだ。

使いやすい「室外機置き場」のポイントは?
 室外機置き場は狭くてもよいのだが、それも限度問題。大型の室外機が置けないほど狭くては用をなさない。二部屋以上の室外機を兼ねるマルチタイプの場合、室外機が大きくなる。大型の室外機を設置するときは、それに見合う大きさの室外機置き場が必要だ。
 さらに、ただ置けるだけでなく、多少のゆとりが必要。建物壁面との間のすき間が狭いと、熱がこもり、夏場の冷房能力が落ちたり、消費電力が上がってしまう危険性がある。また、直射日光のあたる室外機置き場も夏場の冷房能力が落ちやすい。
 共用廊下に面した出窓下に室外機置き場がある場合、夏場、室外機からの熱気で共用廊下の温度が上がってしまうことがある。共用廊下を歩いていると、室外機から熱気が吹き出し、不快になることも。共用廊下側に室外機置き場のあるマンションでは、そういう弊害も覚悟しなければならない。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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バルコニー手すり部分

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【NO.029】バルコニー手すり部分のウソ・ホント

バルコニーの手すりは、本来、どのようにしなければいけないの?
 バルコニーの手すり部分は、転落を防ぐことを第一の目的として設置される。そのため、転落防止の目的さえ果たせば、後は自由にできる部分といえる。建築基準法で定められているのも、手すりの高さだけ。素材や形状の決まりはない。
 建築基準法で定められた高さは、「110センチメートル以上」ということだけ。住宅金融公庫の融資を受ける条件はもう少し厳しく、コンクリートの土台に鉄柵を立てる場合、コンクリートの土台は45センチメートル以下で、鉄柵は90センチメートル以上と決まっている。これは、コンクリートの土台を足がかりにして、小さな子供が鉄柵を乗り越えないようにしたものだ。

バルコニーの手すりはどんな種類があるの?
 現在、マンションのバルコニーに用いられている手すり部分の素材は、基本的に3つ。鉄筋コンクリートと鉄及びアルミニウムの金属、そしてガラスだ。この3つを組み合わせ、手すり部分をつくりあげている。
 例えば、土台部分だけ鉄筋コンクリートで、上部は鉄やアルミニウムの柵。もしくは、大部分を鉄筋コンクリートでつくり、上部の10〜20センチメートルくらいだけ、鉄柵やアルミにする。そして、大部分を鉄柵とし、鉄の枠内にガラスを入れるといった構成だ。

素材ごとの長所と短所は?
 鉄柵が大部分を占める「手すり部分」は重量が軽いため、建築費が安く済む。これには、もう少し詳しい説明が必要だろう。
 バルコニーは建物から張り出した部分で、バルコニー先端に柱のないケースが多い。その場合、バルコニーは帽子のつばのような状態になっているため、先端に重い鉄筋コンクリートの手すり部分を付けにくい。どうしても、鉄筋コンクリートの手すり部分を付けたいなら、バルコニーを狭くして、負担を少なくする。もしくはバルコニーを支える柱を設置しなければならず、工費がかかる。そこで、重量の軽い鉄柵を用いるわけだ。
 手すり部分を鉄柵にすると、見晴らしと風通しが良くなる長所もある。半面、外からも見られやすい、風通しが良すぎて、バルコニーに置いたものが舞い上がるといった短所も生じる。そして、最大の短所は、高層階の場合、高所恐怖症の気がある人は「怖い」ということである。
 高所恐怖症の人でも怖くないのが、鉄筋コンクリート製の手すり部分。眺望が遮られる分、恐怖心が抑えられることになる。風により、バルコニーに置いたものが舞い上がることも少ない。
 以上の長所に対し、鉄筋コンクリートの手すり部分の短所は、眺望がわるいこと。リビングのソファに座り、窓を見ると、手すり部分のコンクリート面ばかりが見える、という事態も生じがちだ。
 一戸建て住宅地に建設されるマンションの場合、この鉄筋コンクリート製手すり部分をわざと高くし、努めて見晴らしを悪くする事がある。それは、マンション周辺の一戸建てへの配慮から。一戸建てを見下ろす印象を減らしているわけだ。バルコニーの手すり部分には、そんな配慮も込められている。
 最後に、鉄柵にガラス入りは、眺望や採光を良くしながら、風通しをほどほどにするのが長所。バルコニーからモノが落ちる危険も防いでくれる。この場合に用いられるのは、網入りガラスや、防火フィルム入りのガラス。万一割れても、破片が飛び散りにくいガラスが使われる。
 ガラスを用いた手すり部分で問題になるのが、汚れたガラス面の掃除。これは、各住戸で行うのが一般的。安全と水を飛び散らせない配慮が求められることになる。

逆梁工法で増えている分厚い手すりの使い勝手は?
 最近、増えているのが、手すり部分が分厚い鉄筋コンクリートになっているもの。これは、アウトフレームと逆梁工法を採用したときに生じるもの。簡単にいうと、建物を支える柱と梁がバルコニーの先端部分にある工法だ。通常、梁は天井近くにあるものだが、逆梁工法では、床から生えているような印象で設置される。だから、分厚い手すり部分に見えるのは、梁なのだ。柱と梁が先端にあるため、バルコニーを広くしても構造上は問題ない。最初に述べた“帽子のつば”の先端に支えがあるため、つば(バルコニー)を広くしても安定しているわけだ。
 この場合の短所は、バルコニーが広い場合、室内の採光が悪くなってしまうこと。柱や梁がバルコニーの先端にある場合、本当に日当たりがよいかどうか、確認する必要がある。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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