2008年4月15日 (火)

耐震ドア枠

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【NO.199】「耐震ドア枠」のウソ・ホント

耐震ドア枠って何?
 耐震ドア枠というのは、玄関ドアの枠を頑丈につくり、たとえ大地震がきても歪まないようにするもの。ドア枠が歪まなければドアの開け閉めに支障がでない、という工夫である。
 これは、主に鉄筋コンクリート造のマンションで採用される工夫である。


どうして耐震ドア枠が生まれたの?
 耐震ドア枠が生まれたきっかけは、95年に起きた阪神淡路大震災。かの大地震により、神戸エリアのマンションでは「玄関ドアが開かない」、「無理矢理開けたら、今度は閉まらない」という事態が多発した。地震の影響でドア枠が歪み、ドアの開閉に支障が出たのだ。
 戸建て住宅ならば、玄関ドアが開け閉めできなくても、他に出入り口を確保しやすい。しかし、マンションでは、それがむずかしいケースが多い。
 そこで、急遽開発されたのが耐震ドア枠というわけだ。
 
 
耐震ドア枠に短所はないの?
 通常に使用している範囲において、耐震ドア枠は従来のドア枠となんら変わりがない。製品価格が大きく上がることもないので、支障も欠点も生じていない。
 新築マンションではいまや当たり前となりつつある設備である。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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2007年1月16日 (火)

非接触キー

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【NO.167】「非接触キー」のウソ・ホント

非接触キーって、どんなものなの?
 非接触キーは、玄関の錠に差し込むキーの一種。キーのヘッド(キーを回すとき指でつまむ部分)が樹脂でカバーされ、そのカバー内にICチップを埋め込んだものである。
 ヘッドに内蔵されたICチップの信号を親機が読み取ることで解錠が行われる——これが非接触キーの大まかな仕組みとなる。

非接触キーはどのように使うの?
 具体的に非接触キーの使い方を説明しよう。
 玄関ドアに関しては、従来のキーと同様に使う。つまり、鍵穴にキーを差し込み、回すことで施錠や解錠が行われる。従来のキーと異なるのは、オートロックを解錠するときだ。
 マンションのエントランスにオートロックが設置されている場合、居住者は帰宅時にオートロックを解錠しなければならない。エントランスに置かれた操作盤の鍵穴に玄関キーを差し込み、回すとオートロックが解錠され、エントランスの自動ドアが開く仕組みだ。
 この「鍵穴のキーを差し込み、回す」という動作を簡略化してくれるのが非接触キー。ヘッド部分を操作盤に「かざす」だけで、解錠が行われ、自動ドアが開く。それが、非接触キーの特徴となる。

非接触キーはなぜ便利なの?
 非接触キーはエントランスに入るための動作を簡単にしてくれる。
 鍵穴にキーを差し込んで回すより、かざすだけのほうが面倒がないわけだ。
 さらに、非接触キーが威力を発揮するのはオートロックが二重、三重に設置されているとき——エントランスにオートロックがあり、エレベーターホールに入るときにもオートロック。各階の共用廊下に入るときにもオートロックがある、というようなケースだ。
 この場合、いちいちキーを鍵穴に差し込んで回すのは大変である。そういうときは「かざす」だけの非接触キーが便利になるわけだ。
 このところ、マンションのオートロックはダブル、トリプルで設置されることが増えている。このような変化にあわせ、広まっているのが非接触キーという考えられる。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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2006年5月30日 (火)

たたき

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【NO.125】たたきのウソ・ホント

「たたき」ってどういうもの?
 玄関で「たたき」と呼ばれるのは、靴を脱ぎ、置く場所。タイルや大理石などを張った床を指す。
 この部分は、昔、土を叩き固めてつくられた。それが、「たたき」という呼び名の由来だ。外を歩き、汚れた靴で入っても問題ない場所——それが「たたき」であるわけだ。

「たたき」で使われる素材は?
 現代の住宅で「たたき」を土でつくることはまずない。代わりに、いろいろな素材が用いられる。コンクリートの場合もあるし、タイル張りになることも多い。そして、高級仕様として使われるのは、大理石や御影石などの自然石だ。
 自然石を用いる場合、厚さ1cmから2cm程度の石板を張る。この石材は輸入品を用いることが多く、見た目の豪華さで人気を高めている。

「たたき」の最新傾向は?
 見た目の豪華さで、「たたき」に用いられる素材は大理石など自然石がこれからの主流……といいたいところだが、実際は正反対。自然石の使用が減り、タイルが増え始めている。その理由はちょっと複雑だ。
 自然石をやめて、タイル張りが増加と聞くと、「経費節減」を思い浮かべがちだ。高額な大理石よりタイル張りのほうが工事費用を安く抑えられるからだ。
 実際、費用が高いため、自然石の採用をあきらめるケースは少なくない。
 その一方で、工事費用にゆとりがあっても、自然石をやめるケースがある。理由は、自然石の場合、色柄の違いでクレームがつきやすいからだ。
 分譲マンションでは、建物が完成した時点で、購入者が仕上がりをチェックする。いわゆる「内覧会」である。この内覧会で、自然石は色目が異なるとか、柄が違いすぎるというクレームがつきやすいのだ。
 自然石だから、色や柄はそろいにくい。また、ひび割れに見えるような模様があることで、クレームがつくことも。
 クレームで張り替えを行うと、手間とお金がかかる。だから、「自然石はやめてほしい」というのが、建築関係者の本音。それで、タイル張りが増えているわけだ。
 自然石のたたきを採用するときは、事前に色や柄に関する説明が必要といったところか。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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下足入れ

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「下足入れ」ってどんなものなの?
 マンションやアパートの間取り図に、「下足入れ」と書かれていることがある。これは、玄関部分に造り付けられた下駄箱と思えばよい。下駄箱は家具なので、引っ越しのとき持ってゆく事ができる。これに対し、下足入れは住戸に付属する設備だから、持ち運ぶ事ができない。
 下足入れはすべての住宅に付属しているわけではない。分譲マンションの多くには設置されるものの、賃貸アパートでは設置されないケースが多い。そこで、賃貸アパート時代の下駄箱が、分譲マンションを買ったときに不要になりやすい。だから、あまり立派な下駄箱は買いにくいという状況があるのも事実だ。

使いやすい「下足入れ」の条件は?
 下足入れで最も重要なのは、収納量の多さだ。革靴でも黒、茶、白といった色違いが必要だし、スニーカーもある、仕事用、遊び用、夏用、冬用、そして雨用と、靴の数は増える一方。4人家族であれば、子供の成長とともに靴の数が加速度的に増えてしまう。
 そのため、「こんなにいらない」というくらい、たっぷり棚がある——それが使いやすい下足入れ条件。また、傘をしまうためのスペースが設けられていることも必要だ。
 これに加え、姿見の鏡が付いていたり、椅子が組み込まれ、座って靴ひもを結べるようになっているものも使いやすい。

「下足入れ」の最新傾向は何?
 最近の下足入れは、ただ靴をしまうだけでなく、玄関を豪華に演出してくれる、例えば、下足入れの下部に蛍光灯を仕込み、足下をやさしく照らす工夫が多くなっている。
 それ自体、とても素敵なことなのだが、問題は蛍光灯が切れたとき。蛍光灯の交換が面倒なケースが少なくない。マンションのモデルルームを見学するときには下足入れ下の蛍光灯を交換しやすいかどうかも、重要なチェックポイントになる。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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キーレス・エントリー

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【NO.095】キーレス・エントリーのウソ・ホント

「キーレスエントリー」ってどんなものなの?
 車の場合、リモコンドアロックという方式がある。リモコンのボタンを押すと、ドアの施錠・解錠が行われるシステムだ。キーレス・エントリーは、それを一歩進めたシステム。ライター程度の装置を手に持ったり、ポケットに入れておけば、車から離れると自動的にドアロックがかかり、車に近づけば、ドアロックが解錠されるという仕組みである。
 これと同じシステムをマンションの玄関ドアに設置したもの——それが住宅用のキーレス・エントリーである。

住宅の「キーレス・エントリー」ってどういうの?
 キーレス・エントリーは一部の分譲マンションに採用されているだけ。今はまだ特殊な設備だ。さて、最新バージョンの使用感は……。
 小さな装置をポケットに忍ばせて玄関ドアに近づくと、カチャリと解錠され、玄関ドアが薄く開く。あとはドアノブをつかんでドアを開ける。小さな装置をポケットから取り出し、ボタン操作をすると、電動でドアをさらに大きく開けることも可能だ。
 玄関内に入ると、ドアが自動で閉じて、施錠してくれる。
 出かけるときも、自動でドアが開き、玄関から離れると、自動で閉まり、施錠される。これで鍵のかけ忘れが防げるわけだ。
 停電したときは通常の鍵で開閉できるようにもなっているが、その鍵穴は分かりにくい。停電時も予備電源で作動するというのが基本的な考え方だ。

「キーレス・エントリー」の使い勝手は?
 両手に荷物を持っているとき、キーレス・エントリーは楽だろう。しかし、どうしても必要というわけではない。あればリッチな気分になれるが、なくても我慢できる設備といったところ。
 ただし、キーレス・エントリーにはもう一つの機能が備えられ、そちらは便利そうだ。
 もう一つの機能とは、オートロックも自動解除できるというもの——小さな装置をポケットに入れておけば、マンションエントランスのオートロックも自動的に開いてくれるわけだ。このシステムだけでも採用して欲しいものである。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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マンションの勝手口

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【NO.087】マンションの勝手口のウソ・ホント

マンションの勝手口」ってどんなものなの?
 勝手口というのは、玄関とは別にキッチン部分に設置される出入り口のこと。本来は戸建て住宅のものだが、近年はマンションにも採用されることが珍しくなくなった。戸建て同様、キッチン部分に出入り口を設けるわけだ。
 ただし、マンションのキッチンに設置される勝手口には、二種類ある。それは、勝手口がどこに通じているかという違いだ。
 一つは、勝手口が共用通路につながっているケース。この場合、勝手口は玄関ドアの横に設置されるのが一般的だ。もう一つは、勝手口がバルコニーにつながっているケース。こちらは、リビングの広い窓の横に勝手口を設置することが多い。
 このような設置場所の違いにより、勝手口は異なる長所を持つことになる。

「マンションの勝手口」にはどんな長所があるの?
 勝手口が共用通路に通じている場合は、住戸の玄関が二つあるようなもの。玄関に客が来て長話をしているときは、勝手口から出て行くことができる。食料品を大量に買い込んできたときは、勝手口から運び込むことも可能。このように、外に出やすい、外から入りやすくなるのが共用通路に面した勝手口の長所である。
 一方、勝手口がバルコニーに面している場合、ドアを開け放して、キッチンの空気を入れ替えることが容易になる。実家から食料品がたくさん届いたときなど、バルコニーの日影に置き、勝手口から出し入れるすることも可能。このように、バルコニーとキッチンを一体化させてくれるのが、バルコニーに面した勝手口の長所だ。

「マンションの勝手口」に短所はないの?
 マンションのキッチンは、閉鎖的なスペースになりやすい。この息苦しさを開放してくれるという長所も勝手口にはある。そのため、勝手口付きのキッチンを使っている人たちから、際立った短所は聞こえてこない。
 「思ったほど使わない」とか、「戸締まりしなければならない箇所が増える」といったことくらい。南向きのバルコニーに面した勝手口の場合、「日当たりがよすぎて、夏は暑い」という声もあった。これは、勝手口のドアがガラス入りになっていることが多いから。日差しを避けるため、カーテンを付けたいところだが、火を使う場所なので、カーテンは危険。ブラインドを付けると、勝手口を開け閉めしにくくなる……。結局、勝手口の外に「よしず」を立てかけたというケースもある。日当たりのよすぎる勝手口も考えものといったところか。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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アルコーブ

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【NO.079】アルコーブのウソ・ホント

「アルコーブ」ってどんなものなの?
 「アルコーブ」というのは建築用語で、壁の一部をくぼませてつくった空間のこと。簡単にいえば“引っ込んだ場所”というような意味である。このアルコーブがよく見られるのは集合住宅の玄関部分。共用廊下(開放廊下・外廊下ともいう)に面して各住戸の玄関ドアが並ぶ形式のとき、その玄関ドアを共用廊下から少し引っ込ませる——これが「アルコーブ」だ。
 玄関にアルコーブを採用するのは、玄関ドアを開けたとき、その扉が共用廊下を通行する人の邪魔にならないようにするためだ。共用廊下を歩いていると、いきなり玄関ドアがあき、ぶつかりそうになった経験をもつ人は少なくないだろう。そのような危険をなくすため、玄関ドアを引っ込めているわけだ。

「アルコーブ」の長所は何?
 アルコーブの長所は、危険をなくすだけではない。玄関ドアが引っ込んでいるため、ドアを開けしめするときに、(通行人から)室内の様子を覗かれにくいという長所もある。さらに、アルコーブになっていれば、玄関ドアを開けたまま固定しやすい。玄関ドアを開けっ放し状態にするには、ドアの下にものを挟んだり、ドアストッパーを付ければすむのだが、問題は開けたドアが通行の邪魔にならないか、ということ。共用廊下に直接面している玄関ドアの場合、ドアを開けっ放しにすると、ドアが通行を妨げてしまう。その点、アルコーブがあれば、ドアが邪魔にならないというわけだ。 開けっ放しにすると室内が丸見えになるので、カーテンやスダレ等をつける。そうすれば、風通しのよい室内が実現することになり、これもアルコーブの恩恵と考えることができる。

「アルコーブ」に短所はないの?
 アルコーブ付き玄関を利用している人の話を聞くと、特に短所はないという。引っ込んでいるために玄関前が暗くなり、夜間はドアスコープでのぞいても訪ねてきた人の顔が識別できないという意見があるくらいだ。ちなみに、ドアの前が暗くなることの対策として、アルコーブ部分には照明が付けられるのが一般的。それを点灯し忘れると、暗くなってしまうわけだ。
 なお、このアルコーブ、設置すると、建設費が上がるため。賃貸アパートでは採用されにくい。この「設置の費用がかかる」ことが最大の短所といえるだろう。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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玄関ドア

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【NO.070】玄関ドアのウソ・ホント

こんな「玄関ドア」はイヤだ
 マンションの玄関ドアは,どれも同じと思われがち。しかし,実際にはいろいろな違いがある。なかには,住み心地や安全性に関わる相違点もあるので,油断できない。
 例えば,断熱性——マンションの玄関ドアはスチール製が一般的だが,スチール内に断熱材が入っているものと入っていないものがある。断熱材が入っていないと,冬,室内を暖めると,玄関ドアの室内側に結露が生じやすい。この結露が玄関ドアに錆を生じさせることがあるので,注意が必要だ。
 次に,玄関ドアの枠について。阪神・淡路大震災以降,ドア枠を耐震枠にしているマンションが増えている。これは,かの大地震のとき,揺れでドア枠が歪み,開かない,もしくは無理矢理開けたら,二度と閉まらなくなった玄関ドアが多発したことから開発されたもの。阪神・淡路大震災は95年だから,それ以前に建てられたマンションだと,耐震枠になっていない可能性が高い。その場合は,大地震のときの脱出の仕方を考えておく必要があるだろう。
 このほか,住んでいて不便を感じるのは,幅の狭い玄関ドア。幅が狭いと,大型の冷蔵庫が入らないとか,家具が入らないという事態が起き,クレーン車で持ち上げてバルコニーから搬入ということになりかねない。冷蔵庫が大型化している現在,狭い玄関ドアは問題ありだ。

使って,便利なのは,こんな「玄関ドア」
 使いやすい玄関ドアは,幅が広いもの,もしくは「親子ドア」というタイプ。親子ドアは,片方に小さなドアが付いており,ストッパーを外すと,観音開きにして大きく開くドアだ。
 このほか,防犯を考えれば,ドアチェーンはもちろん,二つの錠が付いているほうが良いし,新聞や郵便を入れるための穴はないほうがよい。新聞は受けは,玄関ドア以外のところに設置するのが現在の主流となっている。
 玄関ドアには,ドアスコープという覗き穴が付いているが,この覗き穴に蓋を付けるケースが増えているのも最近の傾向。これは,ドアスコープから室内の光が漏れるのを防ぐために設置されるもの。室内の光が漏れることで,在宅か不在かが分かってしまうのを防ぐわけだ。

「玄関ドア」の最新傾向は?
 まだ少数だが,都心の超高級マンションでは,内開きの玄関ドアが現れている。
 従来,日本のマンションの玄関ドアは,外に向かって開く「外開き」が常識だった。欧米では逆に内開きが当たり前なのに,日本は外開き。その理由は,玄関で靴を脱ぐからだ。内開きだと,脱いだ靴が邪魔になるので,外開きにせざるを得なかったのである。
 ところが,最近の高級マンションは,玄関が広くなり,内開きにしても,靴が邪魔にならない。それで,内開き方式を採用するところが現れているのだ。
 玄関の広さを誇示しているようでもあるのだが,内開き玄関ドアをみると,なんとなくリッチな印象を受けるから不思議。見慣れていないから新鮮に映るのだろうが……。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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プッシュプルハンドル

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【NO.046】プッシュプルハンドルのウソ・ホント

「プッシュプルハンドル」って、どんなものなの?
 玄関ドアに長さ50〜60センチ程度の手すり状のバーが付けられ、そのバーを押したり、引いたりすることで、ドアの開け閉めができるもの──それが、プッシュプルハンドルだ。
 ドアを引いて開けるときはバーも引く。ドアを押して開けるときはバーも押す。そうすると、丸いドアノブを回したときと同様にドア錠のストッパーが解除される仕組みになっており、スムーズにドアが開くわけだ。
 押したり引いたりするバーの上下には鍵穴が設けられ、ここにキーを差し込んで施錠する。防犯の効果が高いとされる「2ロック」を一体化しているのも、プッシュプルハンドルの特徴である。

プッシュプルハンドルの長所って何?
 従来の玄関ドアには、丸いドアノブや長さ10センチ程度のレバーが付けられ、それを回したり、押し下げることでストッパーを解除し、ドアの開閉を行った。これに対し、プッシュプルハンドルでは、「ドアを押して開けるときはバーも押す」「ドアを引いて開けるときはバーも引く」というシンプルな操作で開け閉めできるのが特徴。そのため、両手に荷物を持ったり、子供をだっこしているときでも、ドアが開けやすい。例えば、肩でバーを押したり、指先をバーにかけて引くことでドアを開けることができるわけだ。
 これは、握力の弱い子供や高齢者でも開閉が楽になることを意味している。
 玄関ドアの開閉が楽になる。これこそがプッシュプルハンドル最大の長所。この長所が支持され、分譲マンションを中心に採用例が増えているのである。

プッシュプルハンドルに短所はないの?
 昨今、集合住宅のドアは大型化し、重くなる傾向がある。特に分譲マンションのドアは重い。この重いドアを開け閉めするには、体重をかけやすいプッシュプルハンドルが向いていることもあり、プッシュプルハンドルが使われるケースが増えている。
 これを実際に使った人の声を聞いても、特にこれといった不満はない。「丸いドアノブやレバーハンドルならば、ビニール袋などを掛けやすかったが、それができない」という声がある程度。留守のとき、回覧板などをビニール袋に入れてドアノブに掛けておくことがあるが、プッシュプルハンドルだと、それができないというのだ。大きな欠点とはいえないだろう。このほか、レバーハンドルに比べて多少値段が高くなることが欠点といえば欠点となる。
 もっとも、デザインを重視する建築家の中には、「プッシュプルハンドルは機能的だが、美しくない」という人も。デザイン豊富なレバーハンドルに比べ、プッシュプルハンドルは、まだデザインのバリエーションが少ないせいかもしれない。
 そのため、建築家が手がける最新マンションの中には、あえてプッシュプルハンドルを使わず、レバーハンドルを採用するケースもあることを付け加えておきたい。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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シューズ・イン・クローク

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【NO.033】シューズ・イン・クロークのウソ・ホント

「シューズ・イン・クローク」って、いったい何?
 シューズ・イン・クロークは、その頭文字をとってS.I.Cとも略される。一方で、シューズ・イン・クロゼットと呼ばれることもある収納スペースだ。とはいっても、これは「靴を履いたまま入る収納」という意味の和製英語。欧米では、家の中でも靴を履いているのが普通なので、わざわざ「靴を履いたまま…」と断る必要がない。いわば、すべての収納がシューズ・インである。
 玄関で靴を脱ぐ習慣のある日本で、「靴を履いて入ることのできる収納」が設けられるのは、玄関部分。玄関で靴を履くスペース=「たたき」から入るドアがあり、そのドアを入ったところが収納の小部屋になっているもの──それがシューズ・イン・クロークと思っていただければよい。
 この小部屋には棚が設置され、靴をしまいやすくなっている。スペースが広ければ、靴用の棚だけでなく、もっと大きな物がしまえる棚やハンガーを掛けるためのフックやパイプが設置されることもある。
 ただし、窓が設けられることはまれ。どんなに広くても物をしまうための場所で、他に転用しにくいスペースである。

「シューズ・イン・クローク」を採用することで生まれる長所は何?
 シューズ・イン・クロークの目的は、まず、靴をしまうこと。最近は靴の所有数が増え、ファミリー世帯の場合、既存の下足入れでは収まりきれないことがある。 はみ出した靴は箱に入れ、室内に持ち込むことになりがち。しかし、シューズ・イン・クロークがあれば、室内に靴を持ち込まないで済むというわけだ。
 では、実際に使っている人の感想は……。
  実際には、靴以外の用途で重宝しているという意見が多い。例えば、赤ちゃんのベビーカー(折り畳み式乳母車)をしまうのに便利とのこと。ほかに、子供のサッカーボールやスケートボード、スキー板などのしまい場所としても活用されている。意外に少なかったのが、ゴルフバッグ。それは、車に積みっぱなし、ということが多いためらしい。
 このほか、「来客のコートを掛けておくときに便利」という意見もあった。客が4人以上になると、コートやオーバー類を掛けておく場所を確保しにくくなる。そんなとき、シューズ・イン・クロークの中にしまうことができると、便利というのだ。ホテルのクロークのようにシューズ・イン・クロークを利用するわけである。

シューズ・イン・クロークに短所はないの?
  あれば何かと便利なシューズ・イン・クローク、それ自体に短所はない。しかし、問題はシューズ・イン・クロークのまわりだ。どういうことかというと……。
 今のところ、シューズ・イン・クロークはどうしてもなければ困るというスペース ではない。どうしてもシューズ・イン・クロークが欲しいという居住者の声もない。 にもかかわらずシューズ・イン・クロークが設けられるのは、「スペースが余ってしまったから」。スペースが余れば、普通は少しでも部屋を広くする。ところが、玄関まわりでは、スペースが余っても部屋に利用できないケースが多い。かといって玄関を広くすると、居住者から「もったいない」と言われかねない。そこで、玄関部分にあっても違和感のない収納スペースを設ける──それがシューズ・イン・クロークというわけだ。シューズ・イン・クロークの多くがそのような理由でつくられる。そのため、「収納スペースは多いけれど、部屋は狭い」という間取りができてしまいがちなのである。
 シューズ・イン・クロークがあるときは、それに目を奪われず、間取り全体にゆと りがあるかどうかを確認しなければならないわけだ。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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キーシステム

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【NO.009】侵入犯に強いキーシステムのウソ・ホント

不正解錠の手口にはどんなものがあるの?
 鍵以外の道具を使い、居住者の了解無しに錠を開くことを「不正解錠」という。その手口は大きく分けて三つ。
(1)鍵穴に道具を差し込み、あたかも正式なキーを使ったように解錠する。
(2)錠や錠のまわりを壊して開ける。
(3)何らかの方法で、ドア内側のノブを回して解錠する。
 その中で有名なのが(1)の方法で、「ピッキング」と呼ばれる道具を使うケースが多い。耳掻きのような金属棒を鍵穴に差し込み、中を操作して解錠する手口だ。
 窃盗犯は、できるだけ形跡を残さずに侵入を果たしたい。家の中に入ったことが分からなければ、預金をおろしたり、盗品の処分を行う時間をかせげるから。そのため、明らかな痕跡を残す(2)の方法は最低で、ピッキングが理想の技術となるわけだ。

不正解錠に強い錠って何?
 「不正解錠に強い」という錠のシステムは、ピッキング道具を使っても開けにくい構造の錠を指すのが一般的。そのため、ピッキング以外の不正解錠の手口——例えば、ドアのぞき穴(ドアスコープ)をはずし、そこから道具を差し込み、ドア内側のノブを回す手口などには無防備になりがち。
 そして、ピッキングに強い錠も、100%不正解錠を防げるわけではない。というのも、「専用の鍵でなければ絶対に開かない」錠をつくると、万一、鍵を無くしたときに困るから。鍵と錠のメーカーは、「不正に開けることはできないが、万一のときは鍵がなくても開く錠」をつくらなければならないという矛盾を抱えている。
 どんな錠も不正解錠を100%防ぐことはできないが、不正解錠が簡単にできる錠とむずかしい錠がある。むずかしい錠が「不正解錠に強い」ものなのだ。侵入犯にとってむずかしい錠は解錠に時間がかかり、仕事中に見つかる危険も高まる。だったら、もっと簡単に開けることができる錠を狙うわけだ。

ピッキングに強い錠って、具体的にどんなもの?
 ピッキングに強い錠の代表が、ディンプルキーといわれるもの。鍵にギザギザが付いているだけでなく、広い面にえぐったような凹みも付けられ、このくぼみで識別するタイプだ。
 国産品で1万5000円から2万円程度。輸入品はその1.5倍から2倍が目安になる。ディンプル型を使えば、とりあえずは安心。しかし、未来永劫、不正解錠を防いでくれるわけではない。いずれ、ディンプル型を不正解錠する技術が“開発”されるのは間違いないからだ。

ワンドア2ロックは本当に効果があるの?
 では、防犯効果が高いのはどんなキーシステムか。現実的には、不正解錠しようとしても手間がかかる錠が二つ以上付いていること。いわゆる「ワンドア2ロック(錠)」が、基本だ。
 二つ目の錠はドアの上の方か下の方に付け、不正解錠しようとすると、不自然な姿勢を強いられる場所ならばなおよし。そして、5年〜10年おきくらいに最新の錠に交換する。そのくらいしなければ、安心できない時代になったのである。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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