2008年6月24日 (火)

手すりの下地

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【NO.204】「手すりの下地」のウソ・ホント

手すりの下地って何?
 手すりの下地とは、壁内部に入れる厚さ1cm以上で幅広の板のこと。この板があれば、将来、手すりをねじ止めするときに固定しやすい。
 現代の住宅では、内装壁として石膏ボードを用いるのが一般的。加工しやすく、断熱性、遮音性の高い建材である。しかし、この石膏ボード、釘止めやねじ止めがしにくく、そのままでは手すりを固定しにくい。
 そこで、将来、手すりを設置するときのためにあらかじめ壁内に仕込んでおく板——それが手すりの下地材となるわけだ。


なぜ、最初から手すりをつけないの?
 手すりの下地材が入れられるのは廊下の壁やトイレの壁など、将来手すりを設置する可能性が高い場所だ。
 それらの場所には、最初から手すりを付けておけばよいとも考えられる。
 しかし、廊下の場合、最初から手すりを付けると有効幅が狭くなり、通行に支障がでることがある。
 また、手すりを設置する場合、使用者の状況により、使いやすい位置が異なる。そこで、手すりは必要になったとき、必要な場所に設置。それまでは、手すりナシのほうがよいという考え方ができる。
 この考えにしたがい、下地材だけを入れておき、実際の手すりは必要になったときに設置する方法が広まっているわけだ。
 
 
手すりの下地に問題はないの?
 下地材が入っていることで支障は起きない。むしろ、支障が起きるのは下地材が入っていないときだ。
 というのも、下地材がない壁に手すりを付ける場合、工事の手間がかかり、手すりを付けるだけなのに思いのほか工費が高くなったりする。
 下地材が入っていれば工事が簡単で工費も安い。DIYで手すりを自作するのも容易である。
 そのため、手すりの下地材は、あると便利な工夫となり、最新の分譲マンションでは廊下の壁に設置されるケースが増えているのである。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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2008年4月 1日 (火)

LD・KとL・DK

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【NO.198】「LD・KとL・DK」のウソ・ホント

LD・KとL・DKはどこが違うの?
198_2 LDKというのは、リビングダイニングキッチンの略語。日本語で言えば、「居間・食堂・台所」のことである。
 洋風化した日本の住宅では、食事はダイニングテーブルでとる。テレビを見たりしてくつろぐのはソファで。このダイニングテーブルを置く場所がダイニング、ソファを置く場所がリビングだと思えばよい。
 このリビングとダイニングが一体化し、キッチンが分かれている設計が「LD・K」。これに対し、ダイニングとキッチンが一体化しリビングが分離している設計を「L・DK」と表記される。
 要するに、LD・KとL・DKの違いは食事をする場所がどこになるのか、ということ。リビングの一画で食事をするのがLD・K。キッチンの横で食事をするのがL・DKだと思えばよい。


どちらの数が多いのか?
 日本の住宅では「LD・K」方式が圧倒的に多い。ソファとダイニングテーブルが同じ部屋にあり形式だ。これに対し、欧米ではL・DK——つまりキッチンとダイニングテーブルが同じ部屋にある形式が多くなっている。
 しかしながら、最近は日本でも欧米のようなL・DKが増え始めている。それは、キッチンとダイニングを近づけたほうが合理的であるからだ。
 例えば、キッチンでつくった料理を運びやすいし、片付けもしやすい。食事の臭いがリビングに残らないからである。
 
 
それぞれに短所はないの?
 LD・KとL・DK、それぞれの形式の住居に住んだ経験がある人は、L・DKのほうを好む傾向がある。私もL・DKのほうが住みよいと思う。しかし、問題は「L・DK」形式にするとリビング部分が狭くなりがちであること。ゆとりある広さの住戸なら問題ないが、80m2程度の3LDKでL・DK形式にするとリビングは8畳とか10畳ほどになってしまう。
 8〜10畳程度のリビングは決して広くない。そこで、限られたスペースでLDKをつくろうとすれば、LD・K形式のほうがゆとりを演出しやすい。それが、日本でLD・K形式が多い理由と考えられるのである。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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2008年1月22日 (火)

暖炉

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【NO.193】「暖炉」のウソ・ホント《会員リクエスト》

暖炉ってどういうもの?
193 暖炉は、薪を燃やして暖をとるための設備。暖房装置としては最も原始的な部類に属するが、これを家の中に設置するのは簡単ではない。火事が起きないように耐火の構造にしなければならないし、部屋の換気も考えなければならない。煙突に関する建築基準法の規制もある。
 また、薪を燃やして煙がしっかり煙突に上がるようにするためには、専門的な知識もいる。さらには、煙突の掃除が必要だし、雨漏りに対するメンテナンスもいる。
 それよりなにより、燃料となる薪を購入すると燃料代が結構高くなるという問題もある。
 憧れる人が多いが、簡単には設置できないのが暖炉といえるだろう。


暖炉の長所は?
 設置するためのむずかしさ、維持してゆくための面倒さはあるが、暖房効果は高い。薪ストーブよりは劣るものの、暖炉一つで家全体が暖まる。小さな家だと、暖まりすぎて暑くなる、という声もある。
 暖かいだけでなく、炎が生むムードのよさも長所の一つ。「動くものは、見続けて飽きない」ため、楽しい暖房装置になるわけだ。この点は、エアコンの対極にある性格だろう。
 さらに、使用している人に聞くと、「紙くずを燃やすとゴミが減るので重宝する」とも。ただ、印刷物(インクの付いた紙)を燃やすとダイオキシンが発生するという指摘もあるので、むやみに紙を燃やすのは考えものだが。
 

暖炉に短所は?
 短所は、前述したとおり、簡単には設置しにくいこと。小さな子供がいる家庭では安全面の問題もあるだろう。「それよりも薪代が高い」と使用者はいう。裏山で柴刈りできる家ならばよいが、アウトドアショップなどで薪を購入すると値段が高いため、燃やすのがもったいないというのである。
 このように問題が多いため、住宅に暖炉を設置するケースは少ない。そこで、暖炉のように見える電気式、ガス式の暖房機を設置するケースが増えている。これなら、マンションにも設置でき、光熱費も安く済む。
 欧米でも、電気やガス式の暖炉が現実的であるとして広まっているのが実情だ。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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2007年4月24日 (火)

リクエストにお答えする特別編

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【NO.174】リクエストにお答えする特別編

太陽光発電装置の収支は?
 屋根に太陽光発電装置を付けた場合、光熱費がゼロになったり、売電できるかどうかは、どのような生活をするかによる。真夏は発電量が高まるが、1家4人でエアコンを使ったら、それをまかなうことはできない。
 家族が留守にしているときは、光熱費ゼロや売電ができる。
 ただし、装置の価格が高いので「元が取れる」という計算はなかなか成立しない。装置の寿命がくるまでにプラスマイナスゼロになれば上出来という程度だ。
 それよりも、地球環境に寄与する意義のほうが大きいと考えるべきだろう。今後、太陽電池の性能がさらに上がり、月明かりでも発電できるようになると経済性も上がる。そのことを期待したい。

システムキッチンの鏡面仕上げはメーカーによって違うの?
 システムキッチンで、収納扉の表面仕上げによく採用されるのが、鏡面仕上げ。扉表面をガラス面のようにツルツルに加工すると、汚れやキズが付きにくい。
 この鏡面仕上げ、メーカーによる善し悪しがあるとは聞かない。しかし、同じメーカーでも価格による差はある。高級品になると厚塗りになり、耐久性が増すわけだ。

シーリングファンって、どうなの?
 シーリングファンは天井に付ける扇風機のこと。最近は照明とセットになったシーリングファンが多くなっている。その効用は夏よりもむしろ冬に際だつ。
 というのも、暖房によって暖められた空気は部屋の上のほうに溜まりやすい。天井の高い部屋ではなかなか部屋全体が暖まらないということが起きがち。そこでシーリングファンを回すと、上部の暖気を下ろして室温を均一にするサーキュレーターの効用が生まれるというわけだ。
 そういった実用性とは別に、天井の高い部屋に設置すると、「天井の高さ」がより強調されるという効果もある。
 

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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2007年2月13日 (火)

幅の広い廊下

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【NO.169】「幅の広い廊下」のウソ・ホント

169幅の広い廊下は、どれくらい広いの?
 幅の広い廊下の話をするためには、通常の廊下幅はどれくらいかを知っておくこと必要があるだろう。
 通常、日本の住宅における廊下は「90センチ幅」が基準になっていた。この場合の幅は、「有効幅」ではない。壁の中心線から中心線までの幅が90センチということ。そのため、内法(うちのり——有効幅)は、もっと狭くなり、だいたい80センチから85センチということになる。
 これに対し、「幅が広い」といえる廊下は、壁の中心線から中心線までの幅で「1メートル」以上あるものを指す。
 1mの場合、内法では90センチから95センチとなる。もっと広くし、内法で1メートル、もしくは1メートル10センチというような廊下幅も登場しているのが実状だ。

幅の広い廊下のメリットは何?
 廊下の幅が広くなると、いろいろな利点が生まれる。例えば、介護が必要な人に連れ添って歩くとき、二人並んでも窮屈ではない。車いすの通行もしやすい。
 また、大型冷蔵庫を搬入するとき、運びやすいという利点もある。
 もうひとつ利点を加えるなら、「住まいにゆとりが生まれる」という点だ。例えば、玄関に入って廊下をみたとき、廊下が広いとゆったりした印象を受ける。それで、住まいの印象がよくなるというわけだ。
 広い廊下は、住まいのゆとりも演出してくれるのである。

幅の広い廊下は使いやすいの?
 廊下幅が広いはずなのに、大型の冷蔵庫が搬入できないということがある。その場合、冷蔵庫が引っかかるのは、たいていドア部分だ。
 廊下からリビングに入るためのドアを開けると、ドアが廊下側に開く。このドアによって、廊下の幅が狭くなる。特に、ドアノブが邪魔で大型の冷蔵庫が通れない、という事態が生じがちなのだ。
 幅の広くした廊下の場合、このように、意外な盲点がないかをチェックしたい。
 また、長い廊下がある場合、その廊下を幅広にすると、家のなかの“廊下比率”が大きくなりすぎることも。廊下面積を多くしたため、居室の面積が狭くなるという本末転倒な事態も起きてしまうのである。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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2006年11月14日 (火)

10畳以上の寝室

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【NO.163】「10畳以上の寝室」のウソ・ホント

10畳以上の寝室って、どんなものなの?
163 それは、文字通り10畳以上の広さがある寝室だ。この広さがあると、一家4人で暮らすときに、いろいろと都合がよい。どのように都合がよいかは、後で解説するとして、ここでは部屋の条件について述べたい。
 10畳以上の寝室は、ただ広いだけではいけない。広さに加えて、以下の条件が必要になる。
 まず、窓が2カ所必要。収納スペースも2カ所いる。さらに、ドアも2つある(もしくは、将来2つにできる)ことが必要だ。
 なぜ、それらの条件が必要かは、次の説明を読んでいただきたい。

10畳以上寝室にはどんな長所があるの?
 10畳以上の寝室は、一家4人が「長期にわたって使いやすい」という長所がある。
 まず、子供が小さいうちは、4人がベッドを並べて寝ることができる。「お父さんだけは別の部屋」ということがないわけだ。
 そして、子供が部屋を欲しがるようになったら、寝室を子供2人の部屋とする。それぞれが個室を欲しがったら、間に仕切りを入れて2室に分ける。このとき、ドア・窓・収納が2カ所にあれば、2室に分けやすい。だから、上記の条件が求められるのである。
 最後に、子供が巣立った後は老夫婦の寝室とする。広い寝室だから、二つのベッドの間に背の低い収納棚などを置き、ベッドを離すこともしやすい。
 これが、長期にわたって使いやすい、という理由である。

10畳以上の寝室に短所はないの。
 10畳以上の寝室は便利だ。そして、便利に使うためには、ドア・窓・収納を2カ所設置し、将来二つに分けることができるようになっていなければならない。
 ところが、マンションの場合、窓を二つ設置するのが難しいケースがある。そのため、どんな家にも設置できるわけではない。これが、短所と言えば、短所となる。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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2006年9月 5日 (火)

セントラルクリーナー

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【NO158】「セントラルクリーナー」のウソ・ホント

「セントラルクリーナー」って、どんなもの?
 セントラルクリーナーというのは、「家に作りつけの掃除機」だと考えればよい。
 屋外に、エアコンの室外機のような本体を置く。この本体からホースを出し、床下や壁の内側を通して、家中に伸ばす。そして、壁にホース取り付け口を設置し、手持ちホースを接続すれば、ゴミを吸い込むことができるという方式である。
 家の中に何カ所かホース取り付け口を設ければ、掃除を行うとき、ヘッド付きのホースを持ち歩くだけで済む。そして、通常の掃除機と同様に吸い込み力の強弱を切り替えることもできる。
 マンションにも一戸建てにも設置できるのだが、実際に採用されるのは圧倒的に一戸建て。掃除機を持って階段を上がるのが面倒という一戸建てで特に重宝される設備といえる。

「セントラルクリーナー」の長所は?
 その長所は軽く、静かで空気を汚さないこと。
 「軽い」というのは、掃除をするときに掃除機本体を運ばないで済むことを意味している。掃除機の場合、重量で大きな比重を占めるのは実は電気コード。そのため、軽さだけを問題にするなら、充電式掃除機でもよいことになる。
 しかし、セントラルクリーナーの長所は軽いことだけはない。
 モーターを屋外に置いているため、掃除中の騒音が少ない。基本的に、ヘッド部分に発生する吸い込み音だけなので、いつでも気兼ねなく掃除できるメリットがある。
 「空気を汚さない」とは、吸い込んだ空気を屋外に排出するため、微細なゴミが室内に吐き出されないことを指す。そのため、セントラルクリーナーを使っている家庭では、掃除機をかける回数が少なくて済むという声もある。
 以上、3点がセントラルクリーナーの大きな長所となる。

「セントラルクリーナー」に短所はないの?
 一方で、セントラルクリーナーの短所として指摘されるのは、値段の高さ。屋外に設置する本体で10万円、20万円という価格帯で、これに室内のホース設置費用がかかる。家を新築時に設置するのが一般的で、その費用は家の規模によって異なる。が、一応の目安をだすと、セントラルクリーナーを設置することで総工費が50万円以上高くなることが多い。
 そこで、設置に二の足を踏むケースが多くなる。
 ただし、費用が高くても、使い勝手はよく、健康にもよいので、決して贅沢な設備ではない。本体の寿命が長いことも考えれば、十分、検討に値する設備と考えられる。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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2006年8月22日 (火)

スライディングウオール

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【NO157】「スライディングウオール」のウソ・ホント《会員リクエスト》

「スライディングウオール」って、どんなもの?
 スライディングウオールというのは、可動式の壁のこと。ホテルの宴会場でよく見かける可動式パーテーション——宴会場を区切ったり、広げたりするための床から天井までの仕切りだ。
 住宅の場合、床と天井にレールを設置し、そのレールを通り道にしてパーテーションを移動。壁のように並べ立てると、部屋を区切ることができる仕組みになっている。

「スライディングウオール」の長所は?
157_2 スライディングウオールの長所は、空間をフレキシブルに使えること。「普段は広い空間として使うが、ときどき区切りたい」というときや、「今は一部屋で使うが、将来は二部屋にしたい」ときなど有効な建具となる。
 実際に、住宅でスライディングウオールが利用されるのは、リビングの一角や子供部屋において。リビングの一角に設置されるときは、「今は広いリビングとして使い、将来、子供が自室を欲しがったら、区切って小部屋をつくる」などと考えられるとき。子供部屋に採用されるのは、「子供が小さいウチは2人で広い1室を使い、将来は二つに区切る」などと考えるとき。このように、子供部屋にからんだ使われ方が多くなっている。

「スライディングドア」に短所はないの?
 スライディングウオールは、壁としては簡単なつくり。そのため、プライバシーが保ちにくかったり、音の問題が懸念されがち。しかし、現代のスライディングウオールは遮音性が高く、すき間も生じない。そのため、通常の壁と同様の住み心地を実現してくれる。
 ただし、通常の壁よりも衝撃に弱いので、子供が体当たりなどをすると、レールからはずれることがある。
 また、スライディングウオールにドアを設置するのはむずかしいので、部屋を区切ったときのためのドアをあらかじめ用意しておく必要がある。
 さらに、可動式といっても、1枚1枚が重いため、区切る・開け放すという移動は結構たいへん。頻繁に動かすのはむずかしいと考えるべきだ。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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2006年5月30日 (火)

天井埋め込み型エアコン

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【NO.141】天井埋め込み型エアコンのウソ・ホント

「天井埋め込み型エアコン」ってどういうもの?
 一般的なエアコンは壁掛け式と呼ばれ、窓の上方に設置される。これに対し、天井埋め込み型はエアコン本体を天井内に入れてしまうタイプ。だから、天井を見上げると、冷気・暖気の吹き出し口と空気取り入れ口しか見えない。天井カセット型エアコンとも呼ばれるものだ。
 設置される場所は、窓の近くとは限らない。むしろ、窓から離れた住戸の中心部に設置されることが多い。この「窓から離れた場所」に設置されやすいのも、天井埋め込み型エアコンの特徴といえる。

「天井埋め込み型エアコン」の長所は?
 天井埋め込み型エアコンの長所は、まず「見栄えがよいこと」。通常のエアコンの場合、壁の上部に機械が設置され、目障りになりやすい。その点、本体が天井内に隠れてしまう天井埋め込み型であれば、見た目がすっきりするわけだ。
 ために、部屋の奥に設置しても目立たない。これも大きな長所となる。
 広い部屋——例えば20畳を超えるようなリビングの場合、壁掛け式エアコンだと部屋の奥まで冷暖房効果が行き届かないことがある。そこで、活用したいのが天井埋め込み型エアコン。これなら、奥に設置しても目障りでなく、室温を均一に保つ効用もあるわけだ。

「天井埋め込み型エアコン」に短所はないの?
 目立たず、広い部屋にも有効と長所の多い天井埋め込み型エアコンだが、住宅での設置例は決して多くない。その理由は値段が高いから。壁掛け式の場合、量販店で安く売られることがあるが、天井埋め込み型エアコンはそれがない。そして、設置工事費込みの価格になるので元々が高額だ。
 そのため、将来、エアコンが壊れ、交換するときにも高い費用を請求されることに……。
 「高級な設備であること」が、天井埋め込み型エアコンの最大の短所といえるだろう。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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腰板

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【NO.124】腰板のウソ・ホント

「腰板」ってどういうもの?
 腰板とは、内装壁の下部に木製の板を貼った状態のこと。リビングや寝室、廊下などの内装に対し、床面から数十cm(60cm〜90cm程度)の高さまで木の内装材を貼ることである。
 用いられる木材はヒノキやパイン(松)、杉など無垢の木材を用いるのが一般的だ。
 腰板の上は、壁紙を貼ったり、塗り壁にする。つまり、腰の高さまで木材を貼り、上は別の素材になるわけだ。

「腰板」の長所は?
 腰板を設置する理由は主に二つ。ひとつは、見た目がリッチになること。クラシカルな印象もあるが、誰でも豪華を感じることができる。これが、腰板の長所でもある。
 ふたつめの理由は、内装壁を長持ちさせるから。内装壁は下のほうがダメージを受けやすい。小さな子供が頻繁に手をついて汚れやすいし、家具や荷物がぶつかって傷つきやすいのも、壁の下部。その壁下部を木製の内装材で覆えば、汚れを落としやすいし、傷も付きにくいわけだ。

「腰板」の最新傾向は?
 最近、腰板が注目されている。その理由は、健康素材のひとつ・珪藻土のブームのためだ。
 珪藻土を壁に塗ると、調湿効果があって室内環境がよくなる。加えてムードもよい。そこで、リフォームで珪藻土を塗る家庭が増えたのだが、ここで問題が起きている。
 それは、珪藻土は衝撃を受けるとはがれやすいということだ。特に、内装壁の下部ははがれやすい。
 そこで、同じ調湿効果のある自然素材=ムクの木材で腰板を設置し、壁の上だけ珪藻土にする。そうすれば、珪藻土がはがれ落ちる心配が減り、室内環境もよくなるというわけだ。 昔の小学校の教室を思い出させる腰板だが、これから人気を高める可能性があるのだ。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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アウトレット

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【NO.122】アウトレットのウソ・ホント

「アウトレット」ってどういうもの?
 アウトレットと聞くと、メーカーが生産しすぎた商品を格安で売る商業形態を思い浮かべる人が多いだろう。しかし、住宅におけるアウトレットは、それと異なるものを指す。
 壁の下のほうに付けられる電気コンセントや電話の回線をつなぐ差し込みジャックなど、電気や電話回線を「取り出す」ための設備全般を指す。
 最近は、電気と電話回線、テレビアンテナ回線などが一体化した大型のアウトレットがあり、リビングだけでなく、個室にも配置されることが多い。
 それだけ、生活に密着した設備ということだろう。

「アウトレット」はどれくらい必要なの?
 実のところ、アウトレットは、多ければ多いほどありがたい。パソコンとその周辺機器、携帯電話の充電器などコンセントを使うケースが増えているし、各部屋でテレビを見ることも少なくないからだ。
 LDの場合、最低限、部屋の四隅に一つずつ。さらに、中間にも二つ、三つあったほうがよい。電話を置くのにちょうどいいカウンターがあれば、そこにも、もう一つ必要という具合だ。
 寝室や子供部屋にも3カ所以上のアウトレットがほしいところ。洗面所にも必要だし、トイレでは温水洗浄便座用にアウトレットがなくてはならない。玄関や廊下でも、掃除機を使うことを考えてアウトレットが必要になる。  結局、あらゆる場所にアウトレットを設置してあるほうが便利なのだ。

「アウトレット」の新しい工夫とは?
 最近は、アウトレットの数が増加。かゆいところに手が届くように、いろいろな場所にアウトレットが設置されるようになった。
 その上で、今、検討されているのは、アウトレットをより使いやすくする工夫だ。
 例えば、壁の下のほうに電気コンセントがあると、プラグを差す、はずすという動作がしにくい。掃除機をかけるときは、この動作を頻繁に行わなければならず、年をとればとるほどしんどくなる。
 そこで、アウトレットの位置を少し上にずらそうという動きがあるのだ。 上にずらしてもらったほうが、使い勝手はいい。が、問題は見栄え。アウトレットが目立つのは、決して美しくない——このようなジレンマの中、使いやすく、見た目もすっきりしたアウトレットにするにはどうしたらいいか、が今後の課題になっているわけだ。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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主寝室

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【NO.101】主寝室のウソ・ホント

「主寝室」って、どういうものなの?
 主寝室,もしくはマスターベッドルームというのは,夫婦の寝室のこと。ファミリーが暮らす場合,お父さんとお母さんが一緒に寝る部屋という意味だ。では,間取りの中で,どの部屋を主寝室やマスターベッドルームと呼ぶのか——その点に関し,実は定められた条件というようなものはない。慣例的に,「洋室」で最も広い部屋が主寝室と呼ばれている。
 子供部屋は基本的に1人で使う。しかし,主寝室は二人で使う。だから,最も広い部屋が必要というわけだ。
 戸建ての場合,主寝室は広いだけではなく,条件のよい場所に設定される,例えば,朝日が射し込む東南の角とか,2階で最も見晴らしのよい位置などに置かれるわけだ。しかし,マンションなど集合住宅では朝日が射し込む部屋も見晴らしのよい部屋もむずかしいので,とにかく広い部屋が主寝室となっている。ウォークインクローゼットなど大型の収納も主寝室に付随するのが一般的。が,最近は子供部屋に大型の収納を設ける例もあり,この原則は崩れ始めている。

使いやすい「主寝室」の条件は?
 ファミリーの場合,主寝室として使いやすいのは,7畳以上あること。理由は,子供と一緒に寝るにはそれくらいの広さが必要であるからだ。
 子供を持ったことがない人は,「子供が生まれると,すぐに子供部屋が必要」と考えがち。しかし,実際には子供部屋が必要になるのはだいぶ先の話。日本では小学校の中学年か高学年になるまで親と一緒に寝ているということが多い。
 そうなると,子供2人の4人家族の場合,親子4人が一部屋で寝る期間が10年くらい続く事になる。だから,親子4人が一緒に寝る事のできる部屋の広さ——7畳以上が必要と考えられるわけだ。
 7畳以上あれば,シングルベッドを2つとセミダブルの合計3つを並べる事ができる。これで,4人家族が一部屋で寝る事が可能になる。もちろん,ベッドだけで部屋がいっぱいになってしまうのだが……まあ,無理ではない。
 しかし,6畳程度の広さだとベッドがあふれ,4人が一緒に寝る事は不可能になる。その結果,お父さんだけが別の部屋に寝るということになりがち。これは,夫婦仲を良好に保つという側面から考えると,決して好ましい状況とはいえない。夫婦が一緒の部屋に寝るためには,7畳以上の広さが必要になるわけだ。

「主寝室」の上手な使い方は?
 4人家族で,子供二人がそれぞれ独立した部屋を欲しがるとき,主寝室は子供部屋に変わる事が多い。というのも,従来型の3LDKでは洋室2つと和室一つになりがちだったから。二つの洋室を子供部屋とし,夫婦はリビングに隣接した和室を寝室として使うことが多かったわけだ。
 この傾向はまだしばらく続くと思われる(和室がなくなれば,事情も変わるだろうが)。その場合,主寝室として設計された洋室は子供部屋としては広すぎる(贅沢すぎる)ということになりがち。そこで,一部を家族全員のスペースとする方法がある。例えば,主寝室を子供部屋にするが,その部屋に付いているウォークインクローゼットには,お父さんとお母さんの服,そして,家族の布団類もしまうと決めておくわけだ。
 これで,子供の片方が広い部屋を使うという不公平感が薄れるし,子供部屋に親が入りやすいという長所も生まれる。また,そうでもしないと,収納スペースが不足するという問題もある。
 主寝室を子供部屋にする時は,条件をつける事が必要になるわけだ。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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中和室

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【NO.088】中和室のウソ・ホント

「中和室」ってどんなものなの?
 中和室は、マンションの間取りの中に和室を配置する形式の一つだ。現代のマンションで和室を設置するとき、採用される方法は基本的に二つ。一つは、LDの隣り、バルコニーに面して和室を置く方法。もう一つはバルコニーから離し、LDの奥に和室を設置する方法だ。
 後者の方法で、住戸の奥まった場所に配置され、窓もない和室——これが「中和室」とよばれる形式である。

「中和室」にはどんな長所があるの?
 中和室形式にすると、バルコニーに面した部分をフルにLDとして活用できる。その結果、LDが窓に面して横広となり、全体的に明るくなるという長所がある。
 これに対し、和室をバルコニーに面して設置する場合、LDは縦長の形になり、奥の部分が暗くなりがち。中和室は、その欠点をなくしてくれるわけだ。
 そして、和室とLD間の襖等を開け放すと、和室をLDの一部として使いやすい。つまり、LDが広くなった印象が生まれるのも長所である。

「中和室」の短所は何?
 中和室の短所は、和室部分が暗くなってしまうこと。明るい窓際をLDとして活用し、和室は奥まった部分に入るので、暗くなるのは仕方がないだろう。
 窓がない部屋になるため、閉鎖的な印象になるのも、短所の一つだ。ちなみに、建築基準法では、窓無しのスペースは「居室」として認められない。が、中和室は特例として、窓無しでも居室としてよいことになっているのだ。
 さらに、中和室を寝室として使うときは、「なんだか落ち着かない」という声もある。
 そのため、最近は中和室をやめ、その部分をフローリングのフリー・スペースにするケースが増えている。最近は「客が泊まる」という習慣が減りつつあるせいかもしれない。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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ピクチャーレール

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【NO.080】ピクチャーレールのウソ・ホント

「ピクチャーレール」ってどんなものなの?
 ピクチャーレールというのは、カーテンレールを壁の上部——天井との境部分に取り付け、カーテンの代わりに数本のワイヤーを吊るしたものと考えればよい。ワイヤーはレールに設置されたランナー(レール内で動く部品)につながっているため、好きな位置にワイヤーを下げる事ができる。そして、ワイヤーにはフックが付き、高さ調節も可能——これが、ピクチャーレールの全貌だ。
 そして、ピクチャーレールの用途は、額に入った絵や写真を吊り下げることである。つまり、絵や写真を飾るために設置されるのがピクチャーレールというわけだ。

「ピクチャーレール」の長所は何?
 ピクチャーレールの長所は一つ。内壁に釘やフックを打ち付け、穴をあけずに済むことである。鉄筋コンクリートのマンションの場合、内壁の素材は石膏ボードもしくはコンクリートということが多い。コンクリートの場合、釘類を打ち込むのが大変だし、石膏ボードだと、簡単に打ち込める半面、釘が抜け落ちやすい。そこで、石膏ボードの場合は、まず支えを取り付け、そのなかに釘をねじ込む事になるので、内壁に大きな穴があいてしまう。
 壁に穴があくのはみっともないし、賃貸住宅の場合、禁止されている行為だ。賃貸住宅で壁に穴をあければ、退去時に「原状回復」の費用を請求されてしまう。そのような事態を防ぎ、好きな場所に絵や写真を飾りやすいようにするのがピクチャーレールというわけだ。

「ピクチャーレール」に短所はないの?
 ピクチャーレールは、鉄筋コンクリート造の集合住宅で設置例が増えている。実際に使っている人の話を聞いても、さしあたっての不都合はないという。あえて不満点を探すと、絵や写真を壁の下のほうに飾ると、ワイヤーが目立つこと。吊り下げ可能な重さが決まっており、重い額が下げられない、飾る絵や写真がないと。無用の長物になるという声もあった。
 不満はそれくらいで、基本的に便利な設備といえるだろう。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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ダウンライト

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【NO.073】ダウンライトのウソ・ホント

「ダウンライト」って、どういうものなの?
 ダウンライトとは、天井に埋め込まれた照明のこと。天井を見上げると、穴があり、その中に電球が入っているものがダウンライトだ。特徴は、比較的狭い範囲だけを照らす照明であること。そのため、一つで部屋中を明るくするというような使い方はできず、数多く設置して部屋中を明るくしたり、他の照明器具の補助として使われる。もしくは、廊下や玄関など狭いスペースの照明として活用される照明である。

「ダウンライト」の人気の秘密は?
 最近の住宅ではダウンライトを利用するケースが増えている。その理由は、ズバリおしゃれだから。
 天井のなかに埋め込まれ、照明器具自体が見えないのは、とにかく格好いい。必要な場所に必要なだけ、設置できるから、光の演出も可能——簡単に言えば、部屋の中に明るい部分と暗い部分をつくり出すことができて、「ドラマに出てくるような部屋」にすることが可能というわけだ。ダウンライトに調光スイッチを組み合わせれば、演出効果がさらに高まる。
 廊下など、狭くて天井も低い場所では、スペースにあった照明としてダウンライトが重宝されることもある。が、広い居室内にダウンライトが使われるのは、主にこのムードの良さが理由である。

「ダウンライト」には短所はないの?
 ダウンライトを使ったとき、短所となるのは次の二点。一つは、電気の消費量が多く、電気代が高くなること。40Wとか60Wの白熱球を多数使うのだから、それもしかたがないだろう。二つ目は、夏は暑いということ。蛍光灯ではなく。白熱球を用いるから、電球が熱を発っする。それで、室温が上がってしまうのだ。冬は、この熱が暖房の役に立つので問題にはならない。しかし、夏は大問題となる。特に多数のダウンライトを設置している場合、エアコンによる冷房効果を妨げるほどの熱を発生させる。そのため、夏の間は、なるべくダウンライトを使わず、他の照明で我慢する家庭もあるほど。天井が低い部屋だと、余計に暑くなりやすいので、注意したい。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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サービスルーム

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【NO.068】サービスルームのウソ・ホント

「サービスルーム」って,どういう部屋を指すの?
 1階から5階まで同じ間取りの住戸が縦に並んでいるとき,4階は3LDKなのに,3階は2LDK+S(サービスルーム)ということがある。この3LDKと2LDK+Sの間取り図を比べると。まったく同じ……。しかし,よく見ると,4階で洋室と書いてある部屋が,3階の住戸ではサービスルームと書かれている。この違いはどこにあるのか。
 このように,部屋のつくりはまったく同じなのに,洋室ではなく,サービスルームと表記されるのは,建築基準法の決まりに従っているためだ。建築基準法では,「居室」扱いできるスペースの条件が細かく定められている。簡単に言えば,あまりに狭いスペースは居室として認められないとか,窓面積が狭い,もしくはまったくないスペースは居室扱いできないといった条件だ。その中には,窓はある程度,外に面していなければならないという条件もあり,窓の前に壁とか,エレベーターがある場合,居室扱いできないことがある。そんなとき,4階では洋室になっている部屋が,3階住戸ではサービスルームになってしまうという事態が生じてしまうのである。
 建築基準法で居室扱いできないスペースは,間取り図で「洋室」とは書けない。「納戸」扱いになってしまうのだが,それでは収納スペースと間違われるのでサービスルームという名称が付けられているのだ。
 以上のケースのほか,3畳大など狭いスペースとか,窓がなく,天井も低いスペースを「サービスルーム」ということもある。つまり,サービスルームの中には,本当に納戸のようなスペースと,普通の部屋と変わらないのに「洋室」とよべないから仕方なく「サービスルーム」とよばれるスペースがあるというわけだ。

サービスルームはどのように使えばいいの?
 それでは,サービスルームはどのように使えば,よいのだろうか。居室扱いできないスペースは夫婦の寝室や子供部屋として使ってはいけないのか……そんな疑問がわいてしまいがちだが,心配は無用。サービスルームをどのように使おうが,購入者,もしくは借りている人の自由。サービスルームであっても,寝室や子供部屋として十分な広さや天井高,窓等を備えていれば,「居室」として使って何の不自由もない。そのため,賃貸住宅の場合は,サービスルームではなく部屋としてカウントされるケースがよく見られる。
 また,居室として使うにはあまりに狭いスペースの場合,例えば2畳程度のサービスルームも,使い方は住人次第。本来は納戸として使うべきなのだが,趣味の部屋や子供もの勉強部屋として使われるケースもある。狭いスペースだから換気に気をつける必要があるが,使い方は住む人に任されているのである。

サービスルームって得なの,損なの?
 それでは,サービスルーム付きの住戸は得なのか,損なのか。これはむずかしい問題だ。「サービス」という名前から,「おまけ」のイメージがあり,お得な印象がある。しかし,サービスルームの意味は「準備室」に過ぎず,「ご奉仕品」の意味はない。
 それでも,先述したケース=4階が3LDKで,3階が2LDK+Sになる場合,2LDK+Sは若干割安感のある価格設定になるのが一般的。それは「建築基準法上,居室扱いできないスペースがある」ことでイメージがわるくなるからだ。その意味では,少しだけお得といえるかもしれない。
 一方で,2畳大とか3畳大の収納的サービスルームが付く場合,それでイメージがわるくなる事はない。むしろ,好印象を与える事が多く,その場合は分譲価格や賃料が割高になる可能性もある。もっとも,割高になったとしても,魅力に見合う価格設定がされていれば損というわけではない。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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LD

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【NO.067】LDのウソ・ホント

「LD」は、どういう部屋を指すの?
 LDというのは,リビングダイニングの略。食事するためのダイニングスペースと,くつろぐためのリビングスペースが一緒になった空間だ。これを具体的に説明すると,ダインングテーブル(食卓)とソファセット,それに大型のテレビが置けるくらい広い洋室ということになる。
 このLDにキッチンを加えたのが「LDK」。だから,個室が3つとLD,それにキッチンのある間取りが「3LDK」ということになる。これに対し,LDに匹敵する場所が狭く,ダイニングテーブルしか置けない場合,それはLDではなく,D(ダイニング)となり,間取り表記は「3DK」ということになる。
 ちなみにダイニングもなく,個室が3つにキッチンだけの間取りの場合,「3K」という表記だ。
 リビングダイニングとダイニングの差は,ズバリ広さにある。では,何畳以上の広さがあればLDで,それ以下だとダイニングになるのか——これに明確な基準はない。かつて都市基盤整備公団が住宅をつくっていた頃,「LDとよべるのは10畳以上」という基準を持っており,それにならうのが慣例化している。
 つまリ,日本においては,LDだけで10畳以上の広さがあれば,胸を張って「リビンングダイニング」となり,10畳の広さがなければ,「ダイニング」と表記……。しかし,現実には8畳大でも「LD」とするケースが少なくないのである。

くつろげる「LD」の広さとは?
 8畳の広さでも「LD」というケースがあるのだが,8畳間にダイニングテーブルとソファセット,そして大型のテレビを置くのはやはりきつい。10畳以上は欲しいところだ。それらを置いて,ゆとりを感じる広さとなると,12畳以上の広さが必要。さらに,15畳以上の面積があれば,「広いLD」になる,というのがこれまでの常識だった。
 ところが,最近のマンションは,15畳以上でも,広さを感じなくなったという不動産業関係者が多い。広いLDが増え,目が慣れてしまったせいか,もしくは壁の厚い集合住宅が増え,実質的な広さが縮んでしまったせいなのか。いずれにしろ,現在のマンションでは,20畳以上の広さがないと,「広いLD」と認識されにくいことを覚えておきたい。

使いやすい「LD」ってどういうもの?
 広さのほか,使いやすいLDのポイントが二つある。
 一つは,ダイニング部とリビング部の陣地分けがしやすいことだ。例えば,LDが正方形の場合,ダイニングテーブルとソファセットの置き場所がうまく決まらないということが起きやすい。その点,長方形のLDのほうがダイニング部とリビング部を陣地分けしやすく,使いやすくなるのだ。
 二つ目は,LDにも収納スペースがあること。それがないと,ソファの周りが雑然としやすくなっていしまう。また,掃除機を分解しないでしまえる収納がLDにあると,ものをこぼしたとき,すぐに掃除機を取り出せて便利だ。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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ワイドスイッチ

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【NO.040】ワイドスイッチのウソ・ホント

ワイドスイッチとは、どういうものなの?
 「ワイドスイッチ」のスイッチとは、壁に付けられ、照明のON・OFFをパチン、パチンと操作する、あの「スイッチ」のことだ。従来のスイッチは、幅7センチ、縦10センチ程度のパネルに指先ではじくことができるサイズの小さなノブが付けられていた。
 この小さなノブを大型の盤状にし、手のひら全体で、場合によっては手を握った状態でもON・OFFの操作ができるようにしたもの──それが、ワイドスイッチだ。
 スイッチが一つの場合は、パネルいっぱいに一つの操作盤が取り付けられる。スイッチ2つの場合は、操作盤を上下二つに分ける。スイッチ3つの場合は、上中下の3分割する……。スイッチ3つの場合、一つ一つの操作盤は小さくなるが、それでも従来の指先ではじくタイプに比べるとずっと大きくなっている。これが、ワイドスイッチの特徴だ。

ワイドスイッチの長所と短所は何?
 スイッチを大型化させるのは、ひとえに操作を容易にするため。といっても、若い世代は、何のことかピンとこないかもしれない。指先ではじく従来型のスイッチでも使いやすいと。
 しかし、高齢化し、視力が落ちると、スイッチが見えにくくなる。手探りでスイッチを探すことが多くなるし、スイッチの場所を見つけても、パチンパチンという操作が容易ではなくなる。指先の力が弱まるし、指の動きが不自由というケースもあるからだ。そのため、指先ではなく、手全体でスイッチを操作しなければならないケースも……。
 そういったときも、楽に操作できるようにと開発されたのが、ワイドスイッチなのだ。
 ワイドスイッチは、高齢者にとって使いやすい設備。しかし、高齢者向けの設備というわけではない。高齢者だけでなく、小さな子供でも使いやすいし、若い世代にとっても使いやすい。こういう誰にも使いやすい設備を「ユニバーサル・デザイン」というが、ワイドスイッチはユニバーサル・デザインの代表といっていい。
 実際に使っている人たちの意見を聞いても、さしたる不満はなく、とりあえず欠点のみつかっていない設備である。

現在増えているのは、どんなワイドスイッチなの?
 現在新築されている住宅では、ほとんどのスイッチがこのワイドスイッチになっている。その理由は、値段が安いから。ワイドでしかもホタル灯が付いたタイプでも400〜500円といったところ。従来品と大差ないため、モデルチェンジが一気に進んだわけだ。
 ちなみに、ホタル灯とは、米粒大の小さな明かりで、暗闇でもどこにスイッチがあるか目印になるもの。このホタル灯が付いたワイドスイッチならば、使いやすさはさらに増す。これからのスイッチの主流になることは間違いない。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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半畳たたみ

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【NO.035】半畳たたみのウソ・ホント

「半畳たたみ」って、いったい何?
 半畳たたみとは、畳1枚の半分サイズで、正方形をしている畳のこと。縁(へり)が付いていないのも特徴だ。畳の縁というのは、帯の柄のような模様が入った帯状のモノ。黒っぽいものが多くなるが、黒だけでなく、エンジや緑っぽい縁もある。
 どんな色でもムードは思いっきり「和風」。この縁がないだけで、洋風のイメージが生まれ、フローリングのリビングとマッチしやすくなる。畳の目の向きを交互に変えると、光の加減で市松模様のようでお洒落。この洋風ムードこそ半畳たたみ最大の長所だ。
 日本古来の畳でありながら、洋風のムードを持つため、最新の分譲マンションでは和室にこの半畳たたみを採用するケースが多い。半畳たたみなら、フローリングのリビングとも違和感なく溶け合うからだ。
 賃貸住宅でも、既存の畳をこの半畳たたみに入れ替えることは可能。ただし、大家さんにお金を出させ、交換することはまずできないので、居住者が自費で入れ替えることになる。その場合も、退去時のトラブルを避けるため、不動産会社を通し、畳を交換する旨、連絡しておくことが必要だ。

「半畳たたみ」は、琉球畳のことではない。
 半畳たたみのことを琉球畳と呼ぶことがある。しかし、厳密に言うと半畳たたみ=琉球畳ではない。半畳たたみのうち、沖縄特産の井草で作りあげた「琉球表」を使ったものが琉球畳だ。琉球表は、内地の井草に比べて丈夫で、目がざっくりしているのが特徴。そのため、目の向きを変えて敷き詰めたとき、市松模様がくっきり見える。
 琉球表に対し、内地産の畳表で、半畳たたみに使われるのは「目積表(めせきおもて)」と呼ばれるもの。琉球表より目が細かく、一般的な畳表と同じ風合いになる。

「半畳たたみ」に短所はないの?
 半畳たたみの短所は、ズバリ値段が高いことだ。琉球表を使った新畳で、1畳分が3万円程度。通常の新畳(普及版)1畳分が1万円から2万円程度であることと比べて、かなり高い。目積表を使った半畳たたみでも2万円程度はするので、やはり割高だ。
 だから、賃貸住宅に住んでいるとき、大家さんに頼んでも入れ替えてはもらえないわけだ。
 本物の琉球表を使った場合、目が粗いため、最初はチクチクしたり、服が引っかかったりする。これも短所と言えるかもしれない。使い始めて半年くらい経つと、表面が馴染んで、チクチクすることはなくなる。
 現在、フローリングの上に置くだけで「畳コーナー」がつくれる「置き畳」いうものがある。この置き畳では、半畳たたみが主流。こちらは半畳1枚を1万円を切る価格帯で探すことができる。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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乾式壁

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【NO.034】乾式壁のウソ・ホント

「乾式壁」って、いったい何?
 乾式壁というのは、水気を使わずにつくる壁という意味。コンクリートやタイル貼り、レンガ積みなど、建設素材には水気を利用するものが多い。これに対し、水気を使わず、釘やビス止めなどで施工できる建材には「乾式」という言葉が使われる。
 では、乾式で施工される壁とはどんなものなのか。
 簡単に言えば、ベニヤ板や石膏ボードでつくられた壁が乾式壁の代表。その中でも、戸境壁(住戸と住戸の間に設けられる壁)に使われるのは、耐火性能を持つ石膏ボードだ。
 といっても、石膏ボードを1枚だけ、住戸と住戸の間に入れているわけではない。2枚の石膏ボードの間にグラスウール等の断熱材を入れ、13センチメートルから15センチメートルの厚さの壁にしたもの──それが、戸境壁として使われる乾式壁だ。
 従来、鉄筋コンクリート造の集合住宅では、住戸と住戸の間に入れる戸境壁は鉄筋コンクリートで施工するのが一般的だった。乾式壁が使われるのは、住戸内の間仕切り壁……。それは、従来の乾式壁は遮音性能が劣っていたから。つまり、お隣りさんの音がまる聞こえになるので、極力、戸境壁に乾式壁を使わなかったのである。
 それが、最近は分譲マンションでも使われるケースが増えている。それには、二つの理由があると考えられる。
 一つ目の理由は「軽量化」のためである。
 超高層マンションの場合、耐震性を向上させるため、なるべく建物を軽くしたい。そこで目を付けられたのが戸境壁。これを鉄筋コンクリートから乾式壁にすると、大幅な軽量化が実現するわけだ。
 といっても、乾式壁にして遮音性が下がると、居住者から不満がでる。しかし、現在は鉄筋コンクリートと同等の遮音性能を持つ乾式壁ができるようになった。
 それが、乾式壁が増えている二つ目の理由だ。

「乾式壁」の遮音性能は、コンクリートの壁より劣らないの?
 最上級の乾式壁の場合、遮音性は「D-50以上」となっている。これは、「隣の家から発生した音が壁のこちら側に伝わるとき、50デシベル以上小さくなる」ことを意味している。70デシベルの音が伝わると20デシベルになるなど、大幅に軽減されるわけだ。
 現在、分譲マンションの戸境壁に用いられている乾式壁は、厚さ15〜20センチメートルの鉄筋コンクリート壁に匹敵する遮音性能を持っているとされる。それが本当ならば、普通に生活している限り、音の障害はないだろう。
 ちなみに、この程度の乾式壁の場合、施工費用は鉄筋コンクリートの壁よりはるかに高く、2倍以上になることもある。施工費を安くするために採用しているのではなく、あくまでも軽量化のために採用されているわけだ。

戸境壁に「乾式壁」を用いたマンションを買って損はないの
 では、乾式壁を採用しているマンションは、まったく問題がないのだろうか──実は、いくつかの不安材料がある。
 まず、遮音性能について。
 鉄筋コンクリートの壁と同程度の遮音性能を実現するには、乾式壁を隙間なく、ぴっちり取り付けなければならない。この施工が下手だと、期待される遮音性能が出ない可能性があるのだ。
 次に、きっちり施工された場合でも、不安はある。それは、長い年月の間にぴっちり取り付けた部分がずれ、隙間ができる可能性があることだ。乾式壁が施工されるのは、主に超高層マンション。その超高層は、風の影響で微弱な揺れが発生しがち。体に感じない程度の微弱な揺れでも、長い年月の間に隙間が生じやすい。そう指摘する建築の専門家がいることも覚えておきたい。
 もっとも、以上の二つの不安には解決策がある。隙間が生じていたり、長い年月の間に隙間が生じたら、補修すればいいのだ。
 しかし、もう一つの不安は重大だ。
 それは、多くの入居者が「乾式壁」とはなにかを知らず、そして自分が住んでいるマンションに乾式壁が採用されていることも知らないことである。これは、将来に紛争の火種を残すことになりかねない。
 「乾式壁」がすぐれたものであるなら、不動産業界はそのことを正しく伝えてゆく努力が求められるところだ。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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すりガラスの間仕切り

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【NO.030】すりガラスの間仕切りのウソ・ホント

すりガラスの間仕切りは、どのようなものなの?
 欧米の住宅、オフィスでは、いますりガラスを間仕切りに使うことが流行っている。 これは、日本の障子にヒントを得たものというから驚く。彼らには障子の長所が新鮮で、現代生活にマッチするものと考えたわけだ。では、障子とすりガラスに共通する長所とは何だろう。
 すりガラスの間仕切りとは、半透明のガラスを室内間仕切りーーつまり、部屋と部屋を区切る壁や戸として使うものだ。その長所は、光を通しながら、室内の様子が見えないこと。様子はわからないが、シルエットはわかる。しかし、この「シルエットの見え方」も製品によっていろいろ。最新製品のなかには、ガラス面から20〜30センチメートル離れると、シルエットもぼやけてわからないものもある。そのため、欧米では、トイレに全面すりガラスのドアを設置するケースもあるほどだ。ドアをすりガラスにすると、狭いトイレ空間にも開放感が出るので気持ちがよい。
 現在の日本では、まだトイレのドアに採用するケースはない。しかし、LDと隣り合う洋室間にすりガラスの引き戸を使うケースは増えている。そうすると、狭く、窓の少ない洋室も開放的で、広々とした印象に。一人暮らしの1LDKで使われるケースが多いのもうなずける建材というわけだ。

日本における「すりガラス間仕切り」事情はどうなっているの?
 すりガラスの間仕切りは、壁のように固定するのではなく、障子のように開け閉めできる引き戸式にするケースが多くなっている。これまで、マンションではLDの隣に和室を設置するのが普通だった。その際、LDと和室は襖でつながっていた。ところが、和室を洋室にするケースが増え、襖は似合わなくなってしまった。
 そこで、襖の代わりに採用され始めたのが、すりガラスを用いた引き戸というわけだ。さらに、寝室の隣に設けた書斎コーナーや、LDと廊下の境の壁に採用するなど、都心マンションを中心にすりガラスの利用が増えている状況だ。

すりガラスの間仕切りに短所はないの?
 おしゃれな印象のあるすりガラス間仕切りだが、短所が3つある。
 一つは、ガラスを用いているため、重いということ。壁として使う場合はいいのだが、引き戸として使うとき、重さは大きな問題になる。というのも、重いと、天井からつり下げる方式で開け閉めしにくいからだ。
 引き戸にするとき、床にレールを敷き、開け閉めするとゴロゴロという音が階下に響く。そのため、日本のマンションでは、床のレールをなくし、天井から引き戸を吊り下げる方式を採用することが多い。このとき、重いすりガラスだと吊り下げにくいわけだ。そのため、ガラスではなく、樹脂製の半透明パネルを使うことも多くなっている。
 二つ目の短所は、すりガラスのなかにはキズがつきやすいものがあるということ。すりガラスは、ガラス表面を擦り、細かなキズを規則的につけてつくる。細かなキズのある表面は触るとザラザラしている。このザラザラ面にひっかきキズなどがつきやすいのだ。これを防ぐには、すり模様を付けた側を内側にしてガラス2枚を合わせるのが、効果的。しかし、この方法をとると、さらにガラスの重量が増し、三つ目の短所も増長されることになる……。
 三つ目の短所とは、値段が高いことだ。一般的な合板による壁や襖に比べ、すりガラスの間仕切りは材料費と施行費用が数倍、ときには10倍を超えることもある。その点、樹脂製の半透明パネルを使うと、費用は安く抑えられるのだが、ムードの良さは、やはりガラスのほうが勝っている。すりガラスの需要が増え、値段が下がることを期待したい。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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珪藻土

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【NO.020】珪藻土のウソ・ホント

珪藻土って、どういうものなの?
 珪藻土は粉状の内装材で、それを壁に塗りつけたり、吹き付けたりして使用する。仕上がりは土壁のような手触りと風合いで、温かみのある印象。原料は土と思われがちだが、実は海や湖に生育していた植物性プランクトンからできた化石の堆積物。海底や川底では、軽石のような白っぽい石がみつかる。それ が、珪藻土で、砕いて粉状にし、内装材に使用するわけだ。

どうして、珪藻土の人気が高いの?
 珪藻土を使った壁には、超微細な穴があいている。いわゆる「多孔質」であるため、室内の湿気を調節する調湿効果、そして、消臭、断熱の効果が高くなる。
 つまり、室内の湿気が多いときは珪藻土内に湿気を吸い取り、部屋が乾燥すれば、湿気を放出。室内の湿気を快適なレベルに保ってくれるわけだ。臭いを消す効果があるのは、細かい孔の中に臭いの成分を取り込み、封じ込めてしまうから。
 同じような多孔質素材の代表が炭。この炭を水の中に入れておくと、カルキなどが抜けるが、あの作用も細かい孔がカルキ等を取り去るから。それと同じ効果が空気中で行われると考えればよい。
 珪藻土を使った内装材は、臭いと共に、ホルムアルデヒドなど有害な成分も吸い取る。つまり、極めて健康に良い内装材なのだ。このような特性があるため、住宅の