どんぶり返し
【NO.221】「どんぶり返し」のウソ・ホント
■どんぶり返しって何?
どんぶり返しというのは、出前の器——例えば、寿司桶やかつ丼のどんぶりを返すため施設。それが設置されるのは供用部。たとえば、エントランス近くの郵便受けの下部などだ。
マンションの郵便受けは外から手紙等を入れ、内側から受け取る方式が一般的だ。その郵便受けの下部に内側からどんぶりを入れ、外から取り出す棚を設ける。つまり、郵便物とは逆の動きで出し入れする棚をつくるわけだ。それが「どんぶり返し」である。
■なぜ、どんぶり返しが必要なの?
出前の器を返すとき、戸建てであれば玄関前に器を出す。しかし、マンションの場合、玄関ドアの前に器を置くと不都合が起きる。最近のマンションはオートロックが当たり前なので、器の回収にきた人が自由に出入りできない。器の回収が困難になるケースが起きてしまうのである。
そこで、よく行われるのが「エントランスの外に器を出す」方式。エントランスの外、オートロックの操作盤下などに器を置き、上に新聞紙をかけたりする。
これは見栄えがよくない。みっともない、と考え出されたのが「どんぶり返し」なのである。
■どんぶり返しの短所は?
どんぶり返しが実際に設置されたマンションはごく一部。既存のマンションに取り入れようとしても設置工事ができないケースもあるだろう。
つまり、「それは便利だ」と思っても、簡単に採用できないところが短所といえる。
出前の器をスマートに返す方式はまだいろいろあるはず。これからも工夫が生まれることを期待したい。
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