二重壁
【NO156】「二重壁」のウソ・ホント
■「二重壁」って、どんなもの?
二重壁というのは、鉄筋コンクリート造の建物(マンションなど)で採用される工法。鉄筋コンクリート造の戸境壁(二つの住戸を区切る壁)の内側にすき間をあけて石膏ボードなどを張り、石膏ボードに内装用のクロスを貼り付けて内装を仕上げるものだ。
内装を仕上げる方法としてはもう一つあり、それは鉄筋コンクリートの壁に直接、内装用クロスを貼り付けるもの。こちらは、二重壁に対して「クロス直張り」と呼ばれている。
■「二重壁」「クロス直張り」はどちらがいいの?
では、二重壁とクロス直張りはどちらがよいのか。これは単純には判定できない。
クロス直張りを行うなうためには、コンクリート面がきれいに仕上がっていないとまずい。凸凹があると、クロスを通して分かってしまうからだ。しかし、二重壁であれば、仕上げ面に多少の凸凹があっても問題はない。
そこで、クロス直張りのほうが“上等”である、という見方もできる。
しかしである、どうせ二重壁の内側に隠れてしまうのだから、表面をそれほど丁寧に仕上げなくてもよい。そのぶん、工費を節約しようという考え方で二重壁を採用するのであれば、それも合理的な発想と評価できる。
つまり、どちらがいいのかは、一概にはいえないわけだ。
■「二重壁」の遮音性は?
かつて、二重壁は遮音性に問題ありとされたことがあった。それは、昭和の時代、コンクリート壁にセメントをお団子状にして付け、その上に石膏ボードを貼り付けるという工法が採用された時代だ。
この工法を用いると、「太鼓現象」というものが起き、隣戸の音を増幅させてしまう——つまり、遮音性に問題が生じた。しかし、今はそのような工法は用いられず、角材で柱を立てて石膏ボードを固定。コンクリート壁と石膏ボードの間に断熱材を入れるなどの工夫で、太鼓現象は起きないようになっている。
そこで、鉄筋コンクリート部分の厚さが同じ場合、二重壁でもクロス直張りでも遮音性に違いはない、ということがいえる。
ただし、二重壁もクロス直張りの壁も「壁厚が同じ」場合は状況が異なる。例えば、壁厚はどちらも20センチという場合、クロス直張りならば鉄筋コンクリート部分の厚さもほとんど20センチ。これに対し、二重壁の場合は壁全体の厚さが20センチなので、鉄筋コンクリート部分の厚さは正味14,5センチということになってしまう。
この場合は、コンクリート部分の厚さが大きいクロス直張りのほうが遮音性が高いということになるわけだ。
| 固定リンク

