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2006年6月27日 (火)

バルコニーを仕切るコンクリート壁

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【NO.153】バルコニーを仕切るコンクリート壁のウソ・ホント

「バルコニーの仕切り」は従来、どうなっていた?
 マンションのバルコニーは洗濯物を干したり、観葉植物を育てるためだけの場所ではない。複数の住戸のバルコニーが連なっている場合、そのバルコニーは避難路の役目も持つのが普通だ。
 火災などで玄関側の通路が使えないときも、バルコニー側に避難路があれば住人は安全に逃げ出すことができる。避難路としての役目があるため、バルコニーとバルコニーを仕切る壁は「いざというときに破りやすい」構造でなければならない。そこで、最も多いのが鉄製の枠に石膏ボードをはめ込み、壁にしたもの。普段は壁として機能するが、石膏ボードを足で蹴れば簡単に穴が開く。だから、避難路としても確保されるというもの——それが、バルコニーに設置される仕切り壁の一般的な形状だった。

「バルコニーを仕切るコンクリート壁」誕生の理由
 石膏ボードを用いた従来型の仕切り壁には、致命的な欠点がある。それは、住戸間でプライバシーを保ちにくい、ということ。
 石膏ボードでも、お互いの姿は見えない。もちろん、隣のバルコニーを覗こうと思って身を乗り出せば、お隣さんの姿を見ることは可能。しかし、それは軽犯罪のひとつで、常識のある人なら行わない。
 お隣さんがバルコニーに出ていても、その姿は見えないが、声は聞こえる。声を出さなくても、なんとなく気配を感じることもある。
 だから、マンションのバルコニーでは、お隣さんに遠慮しながら過ごすことが少なくなかった。つまり、プライバシーを保ちにくかったのである。
 このプライバシーを保ちやすくするために考え出されたのが、コンクリート製の仕切り。コンクリート壁で完全に塞いでしまうと避難路として使えなくなる。そこで、コンクリート壁に1m四方くらいの穴をあけ、この穴部分に石膏ボードのパネルをはめ込む。石膏ボード部分を最小限にすることで、バルコニー内のプライバシーを保ちやすくしたわけだ。

「バルコニーを仕切るコンクリート壁」の短所は?
 石膏ボードを最小限にし、壁の大部分をコンクリート製にすると、日当たりが悪くなると思われがち。しかし、石膏ボードの間仕切りも同様に日差しを遮っていたので、コンクリートの仕切り壁特有の短所とはいえない。それよりも問題になるのは、コンクリート壁の重量だ。
 仕切り壁をコンクリート製にすると、バルコニーに大きな重さがかかるため、バルコニーの外側にも柱が必要になる。そのぶん、工事費が高くなるのだが、この柱が設置できない場合、コンクリートの仕切り壁は設置できないということに……。これ以外で、実際に使った人からの不満等は聞こえてこない。
 工事費用は若干高くなるが、居住性は向上するため、これから増えていって欲しい工夫の一つである。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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