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2006年5月30日 (火)

コンクリート打ちっ放し

Juusetsunavi_back

【NO.043】コンクリート打ちっ放しのウソ・ホント

コンクリート打ちっ放しって、どういうものなの?
 通常、鉄筋コンクリートで建物を造る場合、次のような手順をとる。まず、鉄筋や鉄骨と鉄筋で、建物の骨組みをつくり、骨組みの周りをベニヤ板等でつくった枠で囲み、中にコンクリートを流し込んで固める。これで、柱や壁をつくるわけだ。コンクリートが十分に固まったら、枠をはずし、断熱材、内装材、外装材を加え、建物の外側と内側をつくる。
 これに対し、コンクリート打ちっ放しは、コンクリートが固まり、枠をはずしたところで内装(場合によっては、外装も)ができあがりとする。壁や柱がコンクリート面のままで、できあがりとする。だから、「コンクリート打ちっ放し」と呼ばれるわけだ。 そう書くと、簡単に仕上げた建物と思われるかもしれない。実際、コンクリート打ちっ放しの家を建てた人は、「お金がないから、コンクリート打ちっ放しなんです」などという言い方をしたりする。が、「お金がないから、コンクリート打ちっ放し……」というのは、謙遜して言っているもの。実は、コンクリート打ちっ放しはお金がかかる工法なのだ。
 理由を説明しよう。
 通常の工法の場合、枠をはずし、でき上がったコンクリート面にくぼみやキズがあっても、たいして問題にならない。表面が凸凹でも大丈夫。内装材や外装材で覆ってしまうからだ。
 しかし、コンクリート打ちっ放しではそうはいかない。くぼみやキズがあったらおかしいし、くぼみやキズを埋める補修を行うのもみっともない。補修跡が必ず分かってしまうからだ。
 そこで、コンクリートを打つとき、枠の組み方、コンクリートの入れ方に細心の注意が払われる。その結果、工事費用がえらく高いものについてしまうわけだ。工事費が高いから、なかなか採用されない。それがコンクリート打ちっ放しの第一の特徴である。

コンクリート打ちっ放しの魅力は何?
 コンクリート打ちっ放しは、コンクリート面の美しさを見せる工法だ。
 巨大な壁を完璧に平らで垂直に仕上げる──そんなことができるのは、コンクリートならでは。この人工美を強調するのが、コンクリート打ちっ放しというわけだ。
 同時に、コンクリート建築が出始めの頃、冷たい機能美も新鮮だった。それで、個性的な建物をつくる建築家が好んで用い、現在でもコンクリート打ちっ放しは、デザイナーズ住宅の代名詞になっているのだ。

コンクリート打ちっ放しに短所はないの?
 魅力的なのに、コンクリート打ちっ放しの建物はそれほど多くない。その理由の一つは、先述したとおり、工費が高いから。そして、もう一つの理由は、必ずしも、居住性が高くないからだ。
 例えば、冬、コンクリート打ちっ放しの壁はなかなか暖まらず、家中が底冷えすることが多い。また、外側も内側もコンクリート打ちっ放しの場合、断熱材がどこにも入っていないため、結露が生じやすい。外気の影響で、コンクリートが冷え、冷えたコンクリートの表面に室内の暖かい空気がふれると、空気の温度が下がり、飽和しきれなくなった水分がコンクリート表面に付き、結露となるわけだ。
 この寒さや結露を防ぐには、換気も兼ねたセントラルエアコンが効果的なのだが、それを備えると、さらに工費が高くなってしまう。また、建物が完成してからも、数年ごとに撥水剤を塗るなど表面加工のメンテナンスを行う必要があり、手間とお金がかかってしまう。 ムードは良いのだが、造るにも維持するにもお金がかかること。それが、コンクリート打ちっ放しの大きな欠点ということになる。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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