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2006年5月30日 (火)

FIX窓

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【NO.059】FIX窓のウソ・ホント

「FIX窓」って、どんなものなの?
 「FIX窓」を日本語に略すと、「はめ殺しの窓」となる。はめ殺しとは、ガラスをはめ込んだまま、動かないという意味。つまり、開閉できない窓のことだ。開閉はできないが、外の明るさを取り込むことはできる。明かり採りの役目を果たすのだが、風通しの役目は果たせないため、ありがたみが半減する窓といえる。
 間取り図を見て家を選ぶとき、窓の位置や大きさは重要なチェックポイント。間取り図に大きな窓が書かれていれば、好ましい間取りとなる。しかし、その大きな窓が開閉できない「はめ殺し窓」だとしたら……。好ましさも半減するだろう。
 そこで、「はめ殺しの窓」は間取り図上で、「この窓は開きません」ということが明記されるのが普通だ。そのとき使われる表記が「FIX」。つまり、間取り図の」窓のところに、「FIX」と書かれていたら、この窓は開閉できない窓なんだと、わかることになっている。

「FIX」窓は、どんなとき使われるの?
 通常の窓は、開閉できるもの。ところが、「FIX窓」は開閉できない。なぜ、開閉できないのか。理由は三つある。
 一つ目の理由は、「窓が大きすぎる」こと。
 窓に使われるガラスは重い。高さ。幅ともに2mを超えるような大型窓になると、丈夫な合わせガラスを使うのが普通で、さらに重さが増す。ガラスだけで100キログラムを超えることもあり、この重たいガラスを使った窓を開閉させようとすると、枠にかかる負担も大きい。当然、枠が破損したり、変形する危険性も高くなる。そこで、大型の窓は開閉できない「FIX」になることが多い。リビングルームの大型窓は、大部分が「FIX」で、一部だけ開閉できるようになるのはそのためである。
 二つ目の理由は、「窓が小さすぎる」こと。 大きい窓とは逆の理由だが、小さすぎる窓は開閉できるようにしにくい。だから、はめ殺しにされるわけだ。
 三つの目の理由は、「窓を開けてもおもしろくない」こと。 例えば、窓を開けると、隣のビルの壁が間近に迫っているとか、周りの住戸の風呂場の臭いやキッチンの臭いが入ってくるような状況のとき、あえて開閉できないようにするわけだ。その場合、窓ガラスも素通しではなく、すりガラスがガラスブロックを用いるのが普通である。

「FIX」窓の短所は何?
 実際に住んでみると、「FIX」窓にはいくつかの問題が生じる。一つは、「開けようと思っても、開かない」こと。部屋に臭いや煙、熱気がこもったとき、窓を開けて換気をしようとしても、それができない。また、ガラス面の外側が鳥の糞などで汚れても、拭き掃除ができない、という短所もある。
 リビングに面した窓の一部が「FIX」になっている場合は、開閉できる窓からバルコニーに出て、拭き掃除をすればよい。しかし、外に出られない窓は、自分で拭き掃除ができない。そこで、拭き掃除は清掃業者に任せるのが普通だ。 清掃業者に任せれば、その費用がかかるし、費用を惜しめば、窓が汚れ放題になる。これが、「FIX窓」の最大の短所。しかし、拭き掃除が面倒だからと、窓をなくせば、外の明かりが入らず、暗い空間になってしまう。そのため、掃除は面倒だが、ないよりはずっとマシというのが、「FIX窓」ということになる。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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