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2006年5月30日 (火)

駐輪場

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【NO.064】駐輪場のウソ・ホント

「駐輪場」って、どういうものなの?
 マンションなど集合住宅では,屋外に,共同の駐輪場を設置するのが普通だ。各住戸の前まで自転車を持ってゆくと,自転車が共用廊下を塞いでしまいがちだし,階段やエレベーター,共用廊下を自転車で通るのも危険だからである。
 屋外といっても,野天に置けば雨で自転車が濡れるし,盗難の危険もある。そこで,駐輪場には屋根が付けられ,照明付きになるのが一般的だ。この簡単な屋根付きの小屋のような建物が集合住宅における駐輪場の一般的スタイルである。

 従来の「駐輪場」に生じがちな問題点とは?
 簡単な屋根がついた駐輪場には,いくつかの問題点が生じた。例えば,自転車とバイクを一緒にとめる方式だと混乱が起きやすく危険もあるので,自転車置き場とバイク置き場を分ける方式が生まれた。
 また, 自転車があふれてしまいがちなので,駐輪場を広くし,2段式の駐輪装置も生み出された。
 自転車があふれてしまうのは,各住戸の保有台数が多いから。車なら一家に一台のケースが多いが,自転車は2台,3台保有することが多くなる。そこで,自転車があふれないよう,総戸数の2倍以上の駐輪場を確保する集合住宅が多くなった。全50戸のマンションなら,駐輪場の収容台数を100台以上にするわけだ。
 ところが,収容台数を多くした結果,別の問題が生じてしまった。それは,放置自転車が増えてしまったことだ。
 駐輪場が広くゆったりしているため,使わなくなった自転車を放置しても,支障がない。だから,処分せずにそのまま置いたままにする人が増えてしまったのである。放置自転車が増えれば,やがて駐輪場が使いにくくなる。また,ホコリだらけで錆びの出た自転車が残っているのは,美観を損ねるという問題もあるのだ。

「駐輪場」に新しい動きがある。それは何?
 放置自転車をなくすため,いろいろな工夫が生み出された。自転車に登録番号を付けたり,1台あたり1ヶ月数百円の使用料を取ったり……。しかし,今,新しい工夫が生み出され,その効果が注目されている。それは,住戸ごとに駐輪場の区画を定める方式で,「サイクルポート」などという名前で呼ばれる方式だ。定められた区画内に家族の自転車をとめるわけだ。
 「我が家が使うのは,この区画」と決まっているので,汚い放置自転車を置くと,困るのは自分の家族。なにより,放置自転車を置いているのがどの住戸の人間か一目で分かるのがよい。これで,放置自転車がなくなり,駐輪場がきれいに使われることも期待されているのである。その効果が高ければ,やがて集合住宅の駐輪場は,すべてこの方式に変わってゆくものと思われる。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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