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2006年5月30日 (火)

高強度コンクリート

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【NO.026】高強度コンクリートのウソ・ホント

高強度コンクリートって何?
 コンクリートの強さは、設計基準強度という数字で表される。これは、コンクリートで茶筒のようなテストピースをつくり、このテストピースに圧力をかけ、1平方ミリあたりどのくらいの圧力をかけても壊れないかを計るもの。強度はN/mm2(ニュートン)で表され、1N/mm2は、約10kg/cm2。 1平方cmあたり1000キログラムの圧力に耐えれば100N/mm2の強度を持つというわけだ。(以下、本文中では、N/mm2をニュートンと表す)
 強度が36ニュートンを超えるものが高強度コンクリートで、現在は120 ニュートン以上の高強度コンクリートもつくられている。

高強度コンクリートは、なぜ生まれたの?
 高強度コンクリートは、1970年代から研究され、80年代に入り、超高層マンションの建設が活発化してから開発競争が進んだ。ちなみに、超高層とは高さが60mを超える建物のこと。階数にすると20階以上だ。それまでのマンションはせいぜい10階建て。それが20階以上になると、従来の技術では解決できない問題が生じた。例えば、従来のコンクリートで超高層の建物を支えようとすると太い柱が必要で、1階部分は柱で占められることになりかねない。そこで、より細い柱で超高層マンションを支えるために、高強度コンクリートの開発が盛んになったわけだ。
 高強度コンクリートを用いると、40階建てから60階建ての超高層マンションが建設でき、現在、都市基盤整備公団が汐留地区で建設している超高層棟は地上56階建て。賃貸住宅となる。

高強度コンクリートに短所はないの?
 高強度コンクリートは、簡単に言うと、コンクリート内の構造を密にしたものだ。中身がぎっしり詰まっている状態を連想してもらえばよい。そのため、コンクリートのひび割れも生じにくく、耐久性が増す。通常のコンクリートが耐用年数40年から60年とされているのに対し、高強度コンクリートは半永久的ともされる。実際には、それほど耐久性は必要ないので、用途に応じ、100年とか、500年の耐久性がもたされている。
 しかし、短所がないわけではない。最大の短所は、火事になったときの爆裂現象だ。通常、火災が起きると、コンクリート内の水分が膨張。コンクリート表面に水がしみ出してくる。ところが、高強度コンクリートは内部の密度が高いため、水分の逃げ道がない。そこで、内部で水分が膨張し、コンクリートの剥離や飛散を起こす。これが爆裂現象である。

高強度コンクリートの短所は解消したの?
 現在、高強度コンクリートは、いろいろな方法で爆裂現象を解消している。
 例えば、剥離や飛散を防止するため、柱等の表面を耐火素材で覆う処理がある。
 しかし、それはコストがかかるし、柱が太くなってしまう問題もある。そこで、水分の逃げ道をコンクリート内に設ける技術も開発された。
 火災時の問題も解消された高強度コンクリート。超高層マンション以外でも使って欲しいものだが、中層、低層のマンションで使われるケースはまだ少ない。理由は、通常コンクリートに比べて値段が高いから。次の課題は低価格化ということになる。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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