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2006年5月30日 (火)

ツーウエイ・キッチン

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【NO.039】ツーウエイ・キッチンのウソ・ホント

ツーウエイ・キッチンはなぜ必要なの?
 ツーウエイというのは、「2方向」の意味。つまり、ツーウエイ・キッチンとは、2方向から出入りできるキッチンのことだ。マンションの場合、キッチンが住戸の中央部設置されることが多い。それは、窓のある外周部にリビングダイニングや居室を設置するから。キッチンやトイレ、洗面所、浴室といった「水回り」は窓のない中央部に集められてしまうのだ。
 そして、独立型(リビングダイニングとはっきり分離している形状)のキッチンを中央部に設けるとき、リビングダイニングからの出入りを第一に考えて設計される。つくった料理をダイニングテーブルに運びやすいようにするわけだ。
 このとき、出入り口の位置によって、不都合が生じることがある。それは、「リビングダイニングから出入りしやすい半面、玄関から遠回りになったり、洗面所・浴室から遠くなることがある」ということだ。
 玄関から遠回りになると、食料品を買い込んできたとき、重たい荷物を持って長い距離を歩かなければならない。
 加えて、キッチンは家事作業の中心であり、主婦は料理をつくりながら、洗濯をしたり、お風呂を洗ったりする。このような家事作業を効率よく行うため、できるだけ「遠回り」をしたくない。
 遠回りしないためには、いろいろな方向に向かって出入りできるドアがあったほうが良い、と生み出されたのが、ツーウエイ・キッチンである。戸建て住宅なら、キッチンに2方向の出入り口があるのが普通。しかし、マンションでは一方向の出入り口しかないケースが多かった。それで、出入り口を増やしたわけだ。

ツーウエイ・キッチンの長所と短所は何?
 ツーウエイ・キッチンの長所は、ズバリいろいろな方向への出入りがしやすいこと。ゴミ出しをするときにも便利だし、家事動線(調理や洗濯などを行うときに、動く道筋)が短くてストレスがない、といった長所が主婦に好評だ。
 一方で、短所がないわけではない。
 それは、キッチンで物を置くスペースが少なくなる、というもの。出入り口を設けると、その通路にあたる部分には収納家具を置くことができない。常に開けておかないと通路の役目を果たさないからだ。その結果、キッチン内で使えるスペースが狭くなり、片づきにくくなるという弊害もある。
 もちろん、キッチンが広ければ問題はない。4畳以上の広さがある独立型キッチンであれば、ツーウエイ・キッチンの良さが際だつ。しかし、3畳までの広さだと、「出入り口がかえって邪魔」という事態になりかねない。そこで、「2方向の出入り口は欲しいが、収納はもっと欲しい」と、出入り口の一つを塞ぎ、収納家具を置いてしまうケースがある。そうなると、ツーウエイも無駄になってしまう。

現在増えているのは、どんなツーウエイ・キッチンなの?
 最新のマンションに見られるツーウエイ・キッチンは、リビングダイニングへの出入り口と洗面所への出入り口を設けたツーウエイ。家事動線を第一に考えたものだ。
 この場合、買ってきた食料品をとりあえず洗面所に置き、料理をつくってから、あとでゆっくり食料品の片づけをする、といったこともしやすい。洗面所の床も、キッチンの延長で使える利点があるわけだ。
 最近は、キッチンがバルコニーに面しているケースが増えた。その場合、バルコニーに出入りできるドアを設けられるので、スリーウエイ・キッチンになることも珍しくない。閉鎖的だった集合住宅のキッチンは開放的で使いやすく変わっている。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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