雁行設計
【NO.132】雁行設計のウソ・ホント
■雁行設計って何?
雁行設計というのは、建物の特徴を指す言葉。建物を上から見た場合、雁が飛ぶような形になっているものを指す。
雁が飛ぶときは、1羽が先頭に立ち、次の雁は横の位置で少し下がる。三番目の雁は二番目の雁の横の位置から少し下がる……このように段々に下がりながら、広がった編隊を組む。マンションの建物が横一線ではなく、「雁の編隊」のように段々になっているのが雁行設計である。
■雁行設計の長所は何?
雁行設計の長所は、日当たりがよく、住戸のプライバシーを保ちやすいこととされる。が、これには補足説明が必要だろう。
まず、日当たりがよいということについて。
確かに、建物全体の日当たりはよくなる。しかし、各住戸の日当たりがよいわけではない。というのも、自らの建物で日陰ができてしまうからだ。
雁行の設計の建物を時計の針に例えて説明しよう。
雁行設計の建物のなかには、上から見ると時計の針が8時20分を指しているように見えるものがある。そのような建物で、12時の側が南だとする。すると、8時を指している針にあたる部分は、午前中の日当たりはいいが、午後は建物の陰になり、日が当たらない。一方、20分を指す針の側は、午後からの日当たりがよいが、午前中は日が当たらない——そのような事態が生じるわけだ。
もうひとつ、「プライバシーを守りやすい」という理由は、バルコニーが横一線に並んでいないから。バルコニーに出たとき、隣のバルコニーの気配を感じることがないことを指し、プライバシーを保ちやすいとしている。
しかし、これにも補足説明が必要。というのも、雁行設計の場合、バルコニーから顔を出すと、隣の家の中が丸見えになることがあるから。雁行設計は必ずしもプライバシーを保ちやすいわけではないのだ。
結局、間違いなく長所といえるのは、建物の外観に変化があり、お洒落な印象になること。そして、窓を多く設置できることとなる。
■雁行設計の短所は何?
実際に雁行設計のマンションに住んでみて、切実に感じる短所は二つ。ひとつは、「長所」の項目でも触れたが、各住戸の日当たりがわるいこと、そして、隣のバルコニーから室内を覗かれやすいこと。この2点が雁行設計の短所となる。
さらに、雁行設計を採用すると、工事費が高くなるのも短所の一つ。お洒落であるが、なかなか採用されにくい設計というわけだ。
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