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2006年5月30日 (火)

2戸1階段

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【NO.024】2戸1階段のウソ・ホント

2戸1階段って何?
 2戸1階段(にこいちかいだん)は、マンションの建物入り口から各住戸にいたる出入り方法の1方式だ。例えば、1階に101号室と102号室が並んでいるとき、101と201の間に階段室を設置する。この階段は、2階の201と202の住人も自宅に出入りするときに使う。3階の301と302の住民も同様。このように、隣り合った2住戸のために階段室を設けるのが、2戸1階段と呼ばれる方式だ。
 2戸1階段は、そのバリエーションとして3戸1階段や4戸1階段という方式がある。これは、住戸の配置を工夫し、隣り合う3戸、もしくは4戸のために階段室を設ける方式である。さらに、隣り合う2戸のために階段だけでなく、エレベーターも設置する方式がある。こちらは2戸1エレベーターという方式である。

2戸1階段には、どんな長所があるの?
 2戸1階段方式の長所は、住戸のプライバシーを確保しやすいこと。これは、2戸1階段を採用しないケースと比較すると理解しやすい。2戸1階段を採用しないときは、共用廊下(開放廊下ともいう)方式になる。各住戸の玄関側にマンションの住人が共用で使う廊下を設ける方式だ。この場合、部屋のすぐ外側を他人が通行するため、気軽に窓を開けることができない。窓を開け、カーテンが風で揺れると、部屋の中が丸見えになってしまうからだ。これを指して、「プライバシーを確保しにくい」と言われているわけだ。
 その点、2戸1階段の場合は共用廊下がないため、玄関側の部屋の窓を開けても内部を覗かれる心配が少ない。同時に、共用廊下がないため、玄関側の住戸にもバルコニーを設置しやすい。このように、玄関側とLD側の両方にバルコニーを設ける方式を「両面バルコニー」と呼ぶ。両面バルコニーが実現するのも、2戸1階段、2戸1エレベーターの大きな長所だ。
 現在は、共用廊下と住戸の間に吹抜けを設けることで、部屋の中を見られにくくし、共用廊下側のの部屋にもバルコニーを設置できる工夫が生まれている。しかし、プライバシーを守りやすいのは2戸1階段のほうが上。それに、バルコニーが明るいという点でも、2戸1階段のほうが優れている。

2戸1階段に短所はないの?
 共用廊下方式(開放廊下)と比べて長所の多い2戸1階段。しかし、実際のマンションを見ると、2戸1階段方式は少なく、共用廊下方式が圧倒的に多い。それはなぜか。
 一言で言うと費用がかかるからだ。隣り合う2戸に対して階段を設けると、工事の手間がかかり、工事費が割高になる。さらに、階段だけでなく、2戸1エレベーターを設置すると、費用がさらに増大する。マンションの設備の中で最も高価で、維持管理費用も高いのがエレベーター。その数を増やすと、分譲価格や毎月の家賃が高くなってしまう。だから、すぐれているのはわかっていても、2戸1階段方式を採用しにくいというのが、実状なのだ。
 現在は、3階建て4階建てでも、エレベーター付きを望む人が多い。楽をしたいだけでなく、高齢になると、自力での階段の上り下りができないケースもあり、そのことを考えると、階段しかない集合住宅は敬遠されがちなのだ。その点からしても、2戸1階段は採用されにくい状況になっている。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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