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2006年5月30日 (火)

二重床

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【NO.022】二重床のウソ・ホント

二重床って、どういうものなの?
 二重床は鉄筋コンクリート造の集合住宅で、フローリングの床を歩く足音が下の階に伝わらないように考え出されたものである。その仕組みを説明しよう。
 まず、コンクリートの床(スラブ)の上に10cmから15cmほどの柱を30cm〜50cm間隔で立てる。この柱の上に内装材であるフローリングを敷く。これで、二重床のできあり。10cmから15cmほどの柱にはクッション材が付けられており、コンクリート面に柔らかく当たる。その結果、床を歩く振動がコンクリート面に伝わるときの衝撃が弱まり、足音が階下に伝わらない仕組みだ。
 この二重床方式が考え出される前は、コンクリートの上に直接フローリング材を貼っていた。いわゆる直貼りという方式で、それでは足音がガンガン階下に響いてしまう。そこで、マンションでフローリングにできるのは、1階住戸だけ。2階から上は、カーペット敷きにするのが当たり前だったのである。二重床が広まり、2階以上の住戸でもフローリングにできるようになったのは、平成に入ってからのことだった。

二重床の効果はどれくらいあるの?
 では、二重床により、どのくらい足音の伝わり方が抑えられるようになったのか……。現在、集合住宅に採用されている二重床のフローリングは、LL45とかLL40という遮音等級になっている。これは、カーペット敷きと大差ない数値だ。
 ちなみに、LLというのは、「軽量床衝撃音の遮音等級」の意味。歩く足音がどのくらい伝わってしまうかの目安と思えばよい。数字が小さくなるほど遮音性が高く、フローリングの場合LL35あたりが最高の遮音等級となる。
 このLLのほかに、LHという等級もあり、こちらは「重量床衝撃音の遮音等級」。子供が椅子から飛び降りるときのドスンという音は、このLHで計る。重量床衝撃音はなかなか軽減できず、LLより10程度下がってしまうのが普通だ。
 このドスンという音を含め、床の衝撃音をさらに軽減させるために、コンクリート床とフローリング材の間に緩衝材を詰める工夫も行われる。これで、居住性はさらに向上することになる。

二重床に短所はないの?
 二重床の短所は少ない。歩くときに床がフワフワした感じになるくらいだ。引越しをする前、室内に家具が入っていない状態の時は、特にフワフワ感が強く感じられるもの。しかし、家具やテレビが入れば、床が抑えられ、フワフワ感も少なくなる。生活を始めれば、まったく気にならなくなってしまうものだ。
 二重床の欠点というより、二重床を採用しないときの欠点のほうが重大。それは、直貼りでフローリングを採用した場合、騒音問題が起きやすいからだ。「子供の足音がうるさい」と階下から怒鳴り込まれ、重大なトラブルに発展してしまったという例もある。集合住宅のフローリングは、ぜひとも二重床とともに設置して欲しいものである。

追加情報
フワフワした感触について
 現在の二重床はいろいろな方法で施工され、フローリング材の下に分厚いクッション材を敷くことで、音の響きを抑えるものがある。その場合、フワフワした感触を強く感じることがある。
 また、コンクリート床とフローリング材の間に詰める緩衝材(グラスウール)は、主に500〜1500ヘルツの音を吸収する目的で入れられ、人の話声や歩く足音を伝わりにくくする効用がある。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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