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2006年5月30日 (火)

逆梁工法

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【NO.025】逆梁工法のウソ・ホント

逆梁工法って何?
 逆梁工法は、鉄筋コンクリート造でラーメン構造を採用した建物に利用される工法だ。「ラーメン構造」というのは、簡単にいうと鉄筋コンクリート製の柱と梁で建物を支える構造。柱と柱を結ぶ梁の上に鉄筋コンクリート盤(スラブ)を載せて、建物の床(天井)とするものだ。
 現在、多くのマンションがこのラーメン構造で建設されている。いわば、マンション建設の基本となる構造なのだが、欠点もある。それは、室内に柱と梁の出っ張りが生じてしまうことだ。それらは見た目がうっとうしいし、柱の出っ張りは部屋の実効面積を狭くする弊害もある。
 そこで、出っ張りをなくす工法が生み出されており、梁の出っ張りをなくすのが、逆梁工法というわけだ。具体的には、コンクリートスラブの下に梁があるのではなく、スラブの上に梁を配置する。梁の上にスラブが載るのではなく、いわば梁がスラブを吊り下げているような関係になるのだ。

逆梁工法には、どんな長所があるの?
 天井面に現れる梁の出っ張りを「下がり天井」と呼ぶ。梁が出っ張っているという言い方ではなく、天井の一部が下がっているという言い方をするわけだ。もっとも、言い方を買えたとしても、うっとうしいことに違いはない。中には50cmも天井面から下がっているケースがある。この場合、他の所は天井高が2m40cmあっても、下がり天井部分は190cmということに。
 そのうっとうしさはかなりのものだし、照明の影が生じてしまうという弊害もある。この下がり天井をなくしてくれるのが、逆梁工法の最大の長所である。
 さらに、逆梁工法には窓を大きくできる効用もある。
 従来、マンションの窓上部には梁があり、窓を大きくできない原因になっていた。この障害をなくしてくれるのも逆梁工法のよいところ。窓上部の梁の出っ張りがなくなる、もしくは小さくなることで、背の高い窓——いわゆるハイサッシが設置しやすくなったのである。

逆梁工法に短所はないの?
 逆梁工法は、下がり天井のうっとおしさをなくすという意味で画期的。しかし、短所がないわけではない。例えば、工事費用が高くなってなるのも短所の一つ。なるべく分譲費用を抑えたいというマンションでは、採用したくても採用できないことがある。
 また、「構造的には、スラブの下に梁があるほうが理にかなっている。スラブを吊り下げる逆梁には無理がある」という意見があるのも事実。無理がある結果、耐用年数や耐震性能などにどんな影響を及ぼすのかわからないというのが技術者の本音なのだ。
 もう一つの短所が現れるのは、バルコニー。
 先述したとおり、窓上部の梁をなくすため、梁がバルコニーの外側に配置されることがある。その場合の梁は、バルコニーの防護壁として活用されるのが普通。最近のマンションでは、バルコニーの外柵が鉄筋コンクリートの塀にようになっており、しかもその柵が分厚いというケースがある。この分厚い柵が、実は梁なのだ。分厚い柵は、植木鉢置き場として活用されることがあるのだが、あれは苦肉の策。植木鉢を置くため、わざと分厚くしているわけではなかったのである。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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