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2006年5月30日 (火)

超高層マンション〜住み心地〜

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【NO.058】超高層マンション〜住み心地〜のウソ・ホント

「超高層マンション」に住む長所って何?
 構造編で説明したとおり、「超高層マンション」と呼ばれるのは、建物の地上高が60m以上のもの。階数に換算すると、だいた い地上20階以上となる。
 この超高層マンションの20階以上に住むと、いろいろといいことがある。まず、見晴らしがよく、展望台に住んでいるような気持ちよさが味わえる。見晴らしがよいだけでなく、向かいに同じような高さの建物がない限り、カーテンを開けていても部屋の中をのぞかれない、という長所も超高層ならでは。
 また、南向きの住戸であれば、日当たりもよい。ビルが建て込む都心や駅前エリアでは、超高層マンションの上層階でなければ、日当たりのよさは望めないのが実情だ。
 このほか、近くで花火大会があれば特等席で見物できるとか、住んでいるマンションが目立つので気分がよい、出前を頼むとき、マンション名と部屋番号だけで分かってもらえる、と言った長所もある。
 招いた客が、みんな「いいねえ」といってくれるという長所もあるが、それは住み心地とは直接関係ないだろう。

「超高層マンション」に住むと分かる短所は?
 長所が多い半面、短所もいろいろあるのが超高層マンションの特徴。例えば、高所恐怖症の人は住めないし、風の影響で非常に微弱な揺れがあり、揺れに敏感な人は船酔いのような症状を起こすともされている。ただし、そのような症状を起こした人に会ったことがあるかといわれると、答えはノー。もともと船酔いしやすい人は、超高層に住まないせいかもしれないが。
 このほか、超高層階に住むと流産しやすいとか、子供が肥満になりやすいといった指摘もあるが、いずれも、科学的根拠に乏しく、実証データもないのが実情。詳しい研究結果が待たれるところだ。
 間違いのない短所は、建物自体がビル風を起こすため、風が強く、窓を開けにくいこと。そしてバルコニーに鉢植えなどを置けないこと。風は上層階ほど強いわけではない。建物の形状や地形によって、建物ごとに風の強い場所が変わり、事前に予測できないのも短所といえば短所になる。
 超高層の上層階で窓を開けると、下から騒音が反響しながら上がって来るため、驚くほどうるさい。これも短所の一つ。しかし、窓を閉めていれば、騒音の問題はない。
 最近、よく指摘されるのは、「超高層マンションは携帯電話が通じにくい」というもの。住んでいる人が多いため、電波をとらえにくくなるようだ。これに対し、最新の超高層マンションでは携帯電話用のアンテナを増やすといった工夫が凝らされるようになっている。

最近増えている「超高層マンション」の工夫って何?
 最新の超高層マンションでは、最大の長所である「眺望のよさ」を満喫できるようにと、窓面積を広くする工夫が増えている。バルコニーをなくし、オフィスビルのように「窓の外は、いきなり空」という設計を採用するマンションも少なくない。
 展望台好きにはたまらないが、高所恐怖症の人間にはますます酷なつくりになっているわけだ。
 ちなみに、「窓の外は、いきなり空」という設計の場合、窓ガラスには車のフロントガラスと同様の合わせガラスが用いられ、丈夫さを追求。安全対策のため、窓の開き方は最小限になっている。
 この窓の外側は、自分で拭くことができず、清掃業者が数ヶ月に一度拭いてくれることになる。そのため、窓の汚れを見つけてもすぐに清掃できず、きれい好きな人はストレスを溜めてしまう可能性もある。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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