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2006年5月30日 (火)

外断熱

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【NO.021】外断熱のウソ・ホント

外断熱って、どういうものなの?
 現代の住宅には、必ず断熱材というものが入っている。これは、鉄筋コンクリート造のマンションも、木造の一戸建ても同じ。断熱材が入っていないと、冷暖房効果が損なわれるし、外の気温と室内の気温差によって結露も生じやすいからだ。ただし、断熱材の入り方は家によって異なる。一部にしか入っていない住宅もあるし、ふんだんに入っている住宅もある。そして、構造躯体の室内側に断熱材を入れるか、室外側に入れるかという違いもある。これが、内断熱、外断熱の違いだ。
 構造躯体というのは、建物を支える柱や壁のこと。いわば、建物の骨格部分だ。この骨格の室内側に断熱材を入れるのが内断熱で、従来からある方式。これに対し、骨格の室外側に断熱材を設置するのが外断熱となる。
 通常、骨格の外側には、外壁が設けられる。そのため、骨格と外壁の間にパネル状の断熱材を挟み込むのが、通常行われる「外断熱」方式である。

外断熱の長所は何?
 外断熱は、建物の骨格をすっぽり断熱材で覆う方式。断熱材と断熱材の間にすき間が出ないように施工されるため、内断熱方式より断熱効果が高まる。そして、結露が生じにくいのも長所の一つだ。鉄筋コンクリート造のマンションの場合、冬場に柱の出っ張り部分や、天井に出ている梁部分に結露が生じやすいのだが、その仕組みを説明しよう。
 まず、外気にさらされた外壁が冷え切り、その冷たさが柱や梁に伝わる。冷たくなった柱や梁に室内の暖かな空気がぶつかると、急激に空気の温度が下がり、空気中に含むことのできる水分量が下がる。そして、空気中に含むことのできなくなった水分が結露として、柱や梁部分に生じる、というわけだ。
 外断熱の場合、建物の骨格=構造躯体が外気にさらされないため、冷え切ることがなく、結露が生じないというわけだ。結露がなければ、内装材が腐ったり、カビの発生がなくなる。すると、カビに付随するダニの発生も抑制できるなど、健康的な暮らしが実現する。これが、外断熱の長所となる。

外断熱に短所はないの?
 外断熱方式には長所が多い。しかし、すべてのマンションや一戸建てに採用されているわけではない。むしろ、採用されるケースは少ないのが実状だ。その理由は何か。
 それは、外断熱を採用すると、工事費用が高くなるからに他ならない。建物の骨格全体をすっぽり断熱材で覆うと、外壁の取り付けがむずかしくなる。特に、タイル張りなど重量の重い外壁を設置するときは特殊な工法が必要になる。さらに、マンションの場合、断熱材の外側にバルコニーを設置しなければならなくなる。これも、工事費を上昇させる原因だ。
 外断熱が内断熱よりすぐれていること、それは間違いない。しかし、問題は工事費用の高さ。工事費用が高くなれば、分譲価格も上がるし、賃貸の場合、周辺相場より家賃を上げざるを得ない。そうした場合、客が付くかどうかで不安があるため、多くの不動産会社や建設会社は外断熱採用に踏み切れないというのが実状なのである。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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【参考】外断熱推進会議

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