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2006年5月30日 (火)

天井高

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【NO.069】天井高のウソ・ホント

「天井高」って,どの高さのことをいうの?
 天井高というのは,床面から天井面までの高さのこと。つまり,実質的に室内で使える高さのことだ。
 これに対し,「階高」というのは,1フロアの高さのことで,例えば1階の構造床(鉄筋コンクリート造ならば,スラブ=鉄筋コンクリートの盤)の表面から2階の構造床の表面までの高さのことを指す。
 普通,住宅内の高さを問題にするときに扱われるのは「天井高」のほう。寝起きする室内はどのくらいの有効高があるのかが問われるわけだ。

「天井高」は,どれくらいあればいいの?
 居室として必要な天井の高さは建築基準法によって定められている。その数値は,「2メートル10センチ以上」。天井高が2メートル10センチに満たないスペースは「部屋」として扱えない。部屋ではなく,納戸扱いになってしまう決まりだ。 では,天井高が2メートル10センチあれば快適かというと,そんなことはない。部屋に入った瞬間,圧迫感を感じ,人によっては息苦しさを感じることさえある。そのため,2メートル10センチの住宅が増えた昭和60年代は,圧迫感を感じさせないようにと「じかに床に座る感覚のソファやテーブル」が発売され,人気を集めたほどだ。
 しかし現在では2メートル10センチの天井高は陰を潜めている。では,どのくらいが一般的か。 例えば,住宅金融公庫の融資を受けて住宅を造る場合,天井高は2メートル30センチ以上となっている。そして,現在つくられている住宅の大半は2メートル40センチ以上の天井高を持っている。そのあたりが現在の基準といえるだろう。
 さらに,最近は2メートル60センチを超える天井高のマンションも登場。天井高は年々上がる傾向にある。

天井って高ければ高いほどいいの?
 最近のマンションには天井高が3メートルとか,「吹抜け付きで5メートル」というようなものまで登場している。5メートルの天井高は,主にメゾネット(2層構造の住戸)で実現する特殊な例。それでも,天井高5メートルと聞くとつい「いいなあ」と思ってしまう。 しかし,天井が高いのは,必ずしもいいことばかりではない。
 例えば,寝室——寝る部屋で天井が高いと不安になり,落ち着いて寝られない。そのため,中世のヨーロッパでは,天蓋付きのベッドが使われた。天井の高いお城の部屋でも落ち着いて眠りにつけるよう,ベッドの四隅に柱を立て,テントを張るように布を張ったのである。
 現在の日本においても,天井の高さを誇るマンションで,本当に天井が高いのはリビングだけ。リビングが天井高3メートルでも寝室は2メートル40センチ程度に抑えられている。
 また,天井が高いと暖房の効率がわるくなる弊害があり,それを解消させるため,天井扇やサーキュレーターを使うケースが多くなっている。高い天井にダウンライトを埋め込むと,電球の交換が大変という声があるのも事実だ。過ぎたるは及ばざるがごとしか。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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