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2006年5月30日 (火)

アルコーブ

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【NO.079】アルコーブのウソ・ホント

「アルコーブ」ってどんなものなの?
 「アルコーブ」というのは建築用語で、壁の一部をくぼませてつくった空間のこと。簡単にいえば“引っ込んだ場所”というような意味である。このアルコーブがよく見られるのは集合住宅の玄関部分。共用廊下(開放廊下・外廊下ともいう)に面して各住戸の玄関ドアが並ぶ形式のとき、その玄関ドアを共用廊下から少し引っ込ませる——これが「アルコーブ」だ。
 玄関にアルコーブを採用するのは、玄関ドアを開けたとき、その扉が共用廊下を通行する人の邪魔にならないようにするためだ。共用廊下を歩いていると、いきなり玄関ドアがあき、ぶつかりそうになった経験をもつ人は少なくないだろう。そのような危険をなくすため、玄関ドアを引っ込めているわけだ。

「アルコーブ」の長所は何?
 アルコーブの長所は、危険をなくすだけではない。玄関ドアが引っ込んでいるため、ドアを開けしめするときに、(通行人から)室内の様子を覗かれにくいという長所もある。さらに、アルコーブになっていれば、玄関ドアを開けたまま固定しやすい。玄関ドアを開けっ放し状態にするには、ドアの下にものを挟んだり、ドアストッパーを付ければすむのだが、問題は開けたドアが通行の邪魔にならないか、ということ。共用廊下に直接面している玄関ドアの場合、ドアを開けっ放しにすると、ドアが通行を妨げてしまう。その点、アルコーブがあれば、ドアが邪魔にならないというわけだ。 開けっ放しにすると室内が丸見えになるので、カーテンやスダレ等をつける。そうすれば、風通しのよい室内が実現することになり、これもアルコーブの恩恵と考えることができる。

「アルコーブ」に短所はないの?
 アルコーブ付き玄関を利用している人の話を聞くと、特に短所はないという。引っ込んでいるために玄関前が暗くなり、夜間はドアスコープでのぞいても訪ねてきた人の顔が識別できないという意見があるくらいだ。ちなみに、ドアの前が暗くなることの対策として、アルコーブ部分には照明が付けられるのが一般的。それを点灯し忘れると、暗くなってしまうわけだ。
 なお、このアルコーブ、設置すると、建設費が上がるため。賃貸アパートでは採用されにくい。この「設置の費用がかかる」ことが最大の短所といえるだろう。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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