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2006年5月30日 (火)

Low-Eガラス

Juusetsunavi_back

【NO.053】Low-Eガラスのウソ・ホント

「Low-Eガラス」って、どんなものなの?
 Low-Eガラスの「Low-E」は、Low Emissivityのこと。翻訳すると「低放射」という意味で、一般的な1枚ガラスが放射率0.85程度なのに対し、Low-Eガラスは放射率が0.1以下になるのが普通。この放射率が低ければ低いほど赤外線を反射させ、熱を通さない。だから、断熱性が高いガラスととなるわけだ。
 このLow-Eガラスは、ガラス面に金属膜をコーティングすることでつくられる。金属膜といっても、薄く色が付く程度のコーティングである。
 Low-Eガラスは紫外線も反射させるため、畳や家具の日焼けを防ぐ効果もある。しかし、紫外線ではなく、赤外線を反射させる目的で使われるのが普通。例えば、夏の西日が入る窓にLow-Eガラスを用い、西日の暑さを和らげる目的で使われたりする。
 ちなみに、夏の西日が暑いのは、遠赤外線を多く含んでいるからとされる。遠赤外線は、冬は体を芯から温めてくれるため、ありがたいものだが、夏場は迷惑。そこで、遠赤外線を反射させるLow-Eガラスが効果的になるわけだ。

「Low-Eガラス」の使われ方は?
 Low-Eガラスは、1980年代の後半から製造されているが、普及率はそれほど高くない。欧米では住宅用窓の半数程度はLow-Eガラスとされていることと比べると、圧倒的に少ない。
 しかしながら、このところ、日本でもLow-Eガラスの使用例が増え始めている。それは、ペアガラス(複層ガラス)に組み合わせるケースが増えているからだ。ペアガラスは2枚もしくは3枚のガラスで乾燥した空気の層やガス層をサンドイッチしたもの。そこで使われるガラスの1枚をLow-Eガラスにし、断熱性をさらに高めるわけだ。

「Low-Eガラス」は断熱?遮熱?
053 Low-Eガラスは断熱性を高める、と書いたが、他で「遮熱性を高める」という説明をみることがある。断熱性と遮熱性はどちらが正しいのか——。
 実はどちらも正解。正確にいうと、Low-Eガラスは使い方によって断熱性を高めるし、遮熱性も高める。これについて、もう少し詳しく説明しよう。
 太陽や地面からの照り返しなど、外から家の中に入ろうとする熱を遮断するのが、遮熱。これに対し、断熱は冬場、暖房で温めた室内の熱が外に伝わらないようにすることを指す。この遮熱と断熱はペアガラスのどの面に金属膜をコーティングするかで使い分けることができる。
 例えば、ペアガラスの室外側ガラスの内面に金属膜をコーティングすると外の熱が室内に伝わりにくくなる(=遮熱)。一方、同じペアガラスの室内側ガラスの外側面に金属膜をコーティングすると、室内の熱が外に奪われることを防ぎやすくなる(=断熱)。
 以上を踏まえ、日当たりのよい南側の窓は断熱仕様にし、夕日の暑さが厳しい西側の窓は遮熱仕様にするといった使い分けをすればよい。南側の窓を断熱仕様にするのは、冬場に日差しの暖かさを家の中に取り入れたいから。夏の強い日差しは、庇やカーテンで防げばよい、という考え方である。

「Low-Eガラス」に短所はないの?
 実際にLow-Eガラス使っている人たちの声を聞くと、三つの短所があるようだ。
 一つは、ガラスが透明ではなく、見にくいというもの。もっとも、これは製品にもよるので、透明度の高い製品を選べば解決するだろう。
 二つ目の短所は、普通のガラスに比べると高価であるということ。Low-Eで、しかもペアガラスになると、普通の1枚ガラスに比べて10倍以上になることも。この値段のため、採用されにくいのも短所といえるだろう。
 三つ目の短所は、「期待したほど断熱効果がない」というもの。といっても、すべての人がこの不満を持つわけではない。人によって、がっかりすることがあるというわけだ。期待が大きすぎるためかもしれない。
 これはペアガラス全体に対して生じがちな不満でもある。

文:住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄

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